2013年12月21日土曜日

ハーバード流正義論

クリッパー1月号にハーバードの知性を鍛える教室という特集。
おなじみの目の前の1名を犠牲にして5名を助けるのが合理的論が紹介されていた。
今回は哲学ではなく心理学として。たわいものないので本当に大学でこんなことを教えているのか疑問ではある。
1人助かるより5人助かるほうがいいという合理的な判断がシチュエーションの違いで歪むのはなぜかという問題意識のようだ。
もっともらしい理屈づけはともかく、致命的なのが自分は常に安全で誰を殺すか采配する立場でしかものを考えられていないこと。
経営者が経営難で従業員の誰を斬首するのが正義か悩んでいるようなもので鼻白むが、むしろこれが正義の本質なのかもしれないと思った。つまり与え奪う側の正義と、遺棄され犠牲になる側の正義と。英雄道徳と奴隷道徳と言い換えてみたり。

2013年12月2日月曜日

ハンナアーレント

岩波ホールでハンナアーレントを見てきました。
ハイデガーとアーレントのエピソードの選び方や、アーレントが感銘を受けたという講義の内容がイマイチ。ハイデガーは外せないだろうが、この描き方はないと思う。
ラストでアーレントもモラルがどうこうと言い出して、これもなんだかよく分かりませんでした。
エルサレムのアイヒマンは読んでいなくて、悪の凡庸さということくらいしか予備知識はありませんでした。収容所のユダヤ人リーダーの責任(彼らのひとを救うことが出来たかもしれないという可能性)について言及していることは知りませんでした。
それが、悲劇の民族というユダヤ人のアイデンティティ?を傷つけ、そのコミュニティからつまはじきにされてしまうという結末。
ユダヤ人は自らの力でナチと戦うことができた、という主張は最近見たDVDにもあったな。(みんなで襲いかかれば逃げられただろ、的な)
とっちらかったので、書き直す。

2013年11月19日火曜日

買えてました 日本海洋掘削

日経新聞のWEBサイトに銘柄発掘ツールというおもちゃがあり、これをいじっているうちに見つけた銘柄。ちょうど底値あたりに思えたので指してみたら買えました。もうすこし下がるかも、ですが。
脱原発の流れで重要性が増す業界だと思うので、しばらく安定成長すると思いました。環境に配慮した掘削技術を開発するという姿勢も時流に合っています。上がったら即売りますが、長い目で見て行きたいですね。

経済時評は簡単率直でいい

週刊ダイヤモンドがニーサ特集。で、購入してみた。興味のあった通貨選択型投信というのはあまりニーサ向きではないらしい。まあしかしこの方向で検討したい。さわかぜファンドはとくに成績が良い訳でもないらしいことが分かったのはよかった。

もう触れなくてもよいのかもしれないが、やはり野口悠紀雄先生の『超整理日記』がおかしい。前段ではアベノミクスのインフレターゲットを批判して、重要なのは賃金を上げることだと力説。これは先週からの続きだ。しかし賃上げは民間企業の専権事項で国家は介入できないと鋭い指摘。ふんふん。で国として出来るのは介護保険料を値上げして介護職員の報酬を上げるべしと。がーん馬鹿野郎とここで怒るのは早とちりで、先生もこんなことは現実的ではないと指摘。一流のレトリックというやつですな。そして重要なのは生産性を上げることであると、最後の一行でさらりと2週分の議論をちゃぶ台返しだ。
1.テーゼ=物価上昇で景気回復 
2.アンチテーゼ=重要なのは賃上げ。賃上げ無くして景気回復無し。
3.ジンテーゼ=生産性の向上こそが真の政策課題
こうまとめるとなぜか華麗なる弁証法というおもむきだ。

もちろん生産性の向上がキモという指摘は真っ当なことだが、野口先生はこれを敢えてデフレ下で実現させろという。20年間できなかったことがどうして今できると思えるのか、不思議なことで次回の日記が気になります。手段は違えど目的は同じ、美しい友情が芽生えそう。

ちなみに同じ号に若田部真澄がサミュエル・ボウルズ『不平等と再分配の新しい経済学』の書評で「貧困の解決に長期的に効くのは生産性向上であり、単なる賃上げは効果が少ない。」と一行でまとめている。野口先生にはあまり難しい書き方をせず、まず自分の日記を超整理してもらいたいと思う。


2013年11月17日日曜日

ニーサにあった商品を考える

ニーサは非課税特典が魅力だが、売買に制限があり利益の確定が難しい。株価が毎年上昇する銘柄なら問題ないが、人気が集中すれば暴騰し高値でつかまされる羽目になる。逆に考えれば、4月に人気が集まりそうな銘柄を安いうちに買っておくのも手だろうが、何が流行りますか、そんなことは分かりませんね。

で、ニーサ枠で何を買うか考えているのですが、気になるがドル建てで日経平均にリンクするファンド。具体的にどんなものがあるのか知らないが、通貨選択型日本株投信とかいうものがそれに近いのか?
中長期的には円安が進行するのは既定路線。日経平均も上昇基調という前提でいいと思う。逆に景気が失速すると前提するならニーサとか相手にしている場合ではないし。
というわけで、個別銘柄の事情に左右されず円安の恩恵も受けられるドル建てインデックスファンドが私には向いている。一応各社それっぽい商品はあるようだが、詳しい内容は未だ知らない。

日野自動車売れてました

いつの間にか約定していたので、そのまま指値で売却指示していたところ、翌日あたりに売れていました。
11月は株価が上がる時期で、一般的に売り時ではないそうです。じっくり構えたほうがいいのかも。
利幅を決めて指値を入れるているので、その後の上がり幅の大きさに地団駄を踏むこともありますが、かろうじて売り抜けられたこともあり、方針の良し悪しは分かりません。
大きく稼げるときに結果売り急いでいるので、どうしても利回りが小さいのは事実ですね。
ただ、含み損になると悩む始め、暴騰すると興奮して我を忘れる性格のようなので、精神衛生を第一に自分にあったルールを確立したいと思います。

2013年11月13日水曜日

年収500万ならクルマは80万円まで

本屋に寄りましたらSPA!が目に付きまして、掲題の内容の記事がありました。ちょうど通勤用のクルマを物色しようとしていたところなので興味深く立ち読みしました。
80万円という予算感は自分の生活実感とも合致していて、サンクもプログレもだいたいそんなもんだった。預金で一括払いできて、生活を圧迫しない上限なのかも。貧乏は仕方ないですしね。

参考になったのは中古で買うならラテン系外車という提言。ドイツ車は修理代高いとか。イタリア車で年式の古いものはトラブルを払拭したお買い得品と強引なおすすめが好印象。

しかし結局サンクを維持できず手放した苦い思い出がよみがえります。

2013年11月11日月曜日

東京瓦斯と日野自動車 買えてました

先週下の辺りで指しておいたら買えてました。
東京ガスは買っておいてなんですが少し心配。上がっても10%とれるとは思えない。何で買ったかなあ。
休日チャートを見て、先日売ったアステラスが順調に伸びているのを見て複雑。持っていれば2倍になったかも。もっともそうして売り時を逃すリスクも大きい。

長期金利が下がっているそうでどう考えたらいいのか。金融緩和は十分なのか?心配なのは円高に振れること。円安で業績に下駄を履かせてもらっている会社は多いはず。

2013年11月10日日曜日

これも偽装ですか? ハンドメイドの白い恋人 

外食産業のメニュー詐欺が話題になっています。一昔前なら、その値段で本物を使える訳が無い、常識で考えろという意見が大半だったろうと思います。わざわざ返金するという対応も過剰で、提供している価格を考慮すれば優良誤認とは言えない例が大半ではないでしょうか。
今後はくじらのベーコンのように、とびっこのレッドキャビアとかサメのからすみというような表記が増えるんでしょうか。

細かいことは注文するときに聞けば本当のことを教えてくれるはずで、だます意図はなかったが表記は適切ではなかったという釈明は正直だなと思います。
本当の問題はホテルのレストランの食事は一般にあまり美味しくないということのほうですね。



ところでお菓子のパッケージにハンドメイドとかホームメイドとか記載するのはどうなんでしょうか。表示をみて、このお菓子は手作りなんだとか、家庭で作ったと誤解するひとはいないと思いますが。


伊藤忠 損きりしました。

結局高値つかみだったようで、値が戻らないので損きりしました。5000円くらいの損。配当があるのでプラマイ0でしょうか。
ナンピンするのがいやで底値でも買えず、含み損に悩んでいました。普通に買っておけば十分益がでたんですが。なかなか合理的に行動できないものですね。
今後はニュートラルな気持ちで、下がったらまた買いたいと思います。

2013年11月5日火曜日

第3の矢 解雇し易くするよりも賃金下げ易くするほうがいいのでは

解雇特区で雇用を作ろうという案について。
転職したり、失業給付したり職業訓練したりというコストは馬鹿にならない。一方で(別の場合で)ワークシェアという考え方を導入するのであれば雇用は維持して賃金を弾力的に上げ下げできるようにしたほうがよいのではないだろうか。
とくに日本の失業給付は期間も短く、なんでもいいから就職しろという雰囲気になりがち。下がった給料で当面働きながら将来性を考えて転職活動をする、のほうが建設的だろう。

2013年11月3日日曜日

中津川 くりきんとん巡り

中津川はくりきんとんの季節。駅前物産館で各店のくりきんとんを1個づつ詰め合わせたパッケージを発見し購入しました。
2種類あります。
ささゆり
柿の木 信玄堂 恵那福堂 新杵堂 満点星一休 松月堂 松葉
風流
仁太郎 しん 川上屋 ヤマツ食品 美濃屋 七福 梅園

どれも見た目は変わらない。味は口に含んだときに広がる香り、食感、甘みがそれぞれ異なる。「すや」のが無いなど全てを網羅している訳ではないが一通り楽しめるので便利。
日持ちしないのがおみやげとして難だが、一層のプレミアム感を演出する。
ちなみに一人で全部食べました。


クローネンバーグのコズモポリス

見終わってなんじゃこりゃと思ったが、プロットを反芻するとなかなか趣がある。
劇中の会話があまりにとりとめなく、コミュニケーションが成立してない感があり、そこが退屈でもありこの作品の核心でもある。人生の破綻を予見し、生きる意味を疑い居場所を求める対話集。エリックロメールが書いたら全編哲学的な対話でうめられたのではないだろうか。
アメリカの現代美術に深夜のファミレスで孤独を表現したような作品があったのを思い出す。(調べたらエドワードホッパーでした)
ホッパー のナイトホーク



終わりのスタッフロールでなにか絵画のクローズアップが写されていて、そこが一番の見所。(ロスコっぽいけどよくわからない。) 












みどころたち

2013年10月27日日曜日

アステラス製薬売れました

概ね思惑どおりの動きで、10%ゲインで売却。もっと大きく張れればよいのですが、実際どう動くのかは分からないもの。ちまちま売り買いほうが精神衛生上よいようです。
同じ頃に買った大塚ホールディングスはその後も下落し大幅な含み損。損きりルールを守れない心の弱さを露呈しました。しかもこの株、欲しいタイミングで買い損ね、少し無理をして購入したもの。欲望に負けて何か錯覚していましたね、結果的に。

ドコモ売りました

以前買ったドコモ株、iPhone発売のトピックにガッツポーズしたもののその後上がらず、何となく業績不透明。ドコモ+iPhoneで鉄板だと思ったのは間違いだったようです。ドコモブランドに圧倒的な強さを覚えていたのですが、携帯黎明期から十数年、時代は変わっていましたね。ということで、配当金プラスアルファということで処分。損しなかっただけラッキーです。
携帯登場当時は一台10万円のステイタスアイテム。部長さんにしか持たせませんでした。いまも結構お高いですが、すっかりコモディティ化しました。私も年末あたりiPhone購入してスマホデビューするつもりですが、さてキャリアはどこにしたものか。

エコノミスト 勝ち抜くための経済学 が分かり易い

発行元は毎日新聞社なのですが、内容はまともで分かり易い。用語の説明も親切。比較優位と絶対優位とかフィリップス曲線など経済政策について考えるうえで必要な用語を要領よく押さえていると思います。オーソドックスなのでインタゲ派と親和性高いも、そこにとらわれず財政や社会保障の観点から税制を論じるエッセイもある。まあそこはどうなのかな、とも思うが自分で考え直す一つのきっかけだと思う。

私は今回の消費増税は失策で、社会保障は保険料値上げのほうがまだよかったと思う。
報酬月額の上限を引き上げたり、老人医療の自己負担額を所得に応じて調整したり、そういう細かいことを積み重ねるよりどかんと歳入確保したいという気持ちは分かりますが。
増税したのに景気対策で財政支出とか矛盾だらけ。結局政策課題の優先順位があいまいで、税率を上げること自体が目的になってしまっている。繰り言ですが。

謝罪の王様

少し前ですが、久しぶりに劇場で映画を見たく、上映時間の都合でこの映画を選びました。
勝ち負けでなく、ただ謝って欲しいだけ、そう言うひとが私の他にもいるのではないか。
そう思ってこのビジネスを立ち上げた、と阿部サダヲが言います。
思いました、今の自分の心境だと。金を返せとか言わない、ただ「つまらなくてごめんなさい」の一言が聞きたい、と。もちろんこれよりひどい映画をいくつも見てきましたから、今後も1本の名作に出会うために99本の駄作につき合う覚悟で劇場に通う所存ではあります。
場内には中学生くらいの子供が多く、落ち着き無く劇場を出たり入ったりしていましたが、そう言う子供には面白かった、と評判がよかったようです。

忘れずにみておきたい映画の備忘

そして父になる
もう一人の息子
父の秘密

さらば冬のかもめ

70年代アメリカ映画の優れた成果のひとつ。「真夜中のカウボーイ」や「イージーライダー」が好きなら絶対気に入る。まあ、イージーライダーをすでに見ているひとならこの映画もすでに見ているかもしれない。未見のひとは必ず見るべし。

外国映画にはときどき変な日本文化が描かれることがあるが、この作品にもアメリカ人の法華経信者が登場してくる。なぜ法華経なんだろう。

この映画の原題はthe last detail .検索するとディテイルには細部という意味のほか、些事、軍や警察の派遣という意味で遣われるらしい。
軍隊内の犯罪者を軍法裁判所に引き渡す、というストーリを端的に表しているが、何故邦題が「さらば冬のカモメ」となったのか。
かれらは海軍なのでセーラー服を着ており、最後雪の積もる公演で大立ち回りを演じる。だから冬のかもめ?かもめの水兵さん。

ちなみにかもめは日本では冬に飛来する海鳥でもともと冬に見られる鳥らしい。だからカモメに別れを告げるのは春の訪れ→雪解け→(権力との)和解→人生の諦念を暗示している?そうすると冬のカモメとは人生にあらがう若者の表象ということになりそうだが。
検索すると小林旭の歌にさらば冬のカモメというものがあったが、内容は別れた女に最後通牒しているような。女→家庭→社会に組み込まれ、というイメージでしょうか。この場合、冬のカモメ=女=体制となり真逆の意味ですね。
70年代の日本人にとって冬のかもめとはなんだったのだろう。

クレールの刺繍

スーパーのレジ係として働く二十歳くらいの娘がイケメン店長と不倫して身籠る。
最初の10分で彼には俺奥さんいるから助けられないし、と釘をさされ一人で生むから大丈夫とか。
産むか堕胎かではなく、里子に出すか自分で育てるかで悩み、刺繍家のアトリエで働きながら人生の先輩と心を通わす。
日本のドラマではありえない設定で、不倫、子供を捨てることについての説教は一切無い。おなじ子供の妊娠というテーマを扱ったアメリカ映画のジュノのような武勇譚でもない。自分と向き合って人生に結論をだすという心の動きが、寄せては返す波を見つめるような余韻を残す。
道徳的な問題というものが、実はあまり普遍的な問題ではないとあらためて気づかされる。

2013年10月21日月曜日

東洋経済 イアン・ブルマ 『キリスト教「軟化」と集団的道徳の崩壊』がでたらめすぎ

このひとはオランダ生まれで米バード大教授。著書に『反西洋思想』『近代日本の誕生』があるそうだが、決して読まないようにしたい。
このエッセイの論旨はおそらく以下の2つ。
1.ローマ法王が英米の新自由主義に迎合した結果、カソリックの宗教的な意義を自ら失わせた。
2.CIAの諜報活動を曝露したスノーデン氏の正義はネットに自分のプライバシーを垂れ流すナルシスト的消費者の自己満足にすぎない。

1.については、法王の「自らの良心に耳を傾け従うとは何が善で何が悪かを見極めることだ」という書簡から筆者自身が導き出した帰結。彼によるとこのことがカソリックの存在意義を否定し無神論に根拠を与えるそうだ。また彼の理解によるとクリスチャンは善悪の判断を良心に置いてではなく、聖書の権威に基づいて行っているらしい。
当たり前だが人間は言語を用いる動物であるからといって、言葉を習わずに話せるようになる訳ではない。このひとにはまず聖書を読めといいたい。
2.はスノーデン氏の行為を歪曲する誹謗中傷とも言えるもの。著者はスノーデン氏が職務上知ったプライバシーをシェアして「いいね!」をもらおうとしたと揶揄している。しかし実際に彼が行ったのはこれとは反対のことだ。他人のプライバシーを暴いておもしろがるのではなく、ビックブラザーが人々の会話を盗み聞きしていると警告したのだから。


筆者は個人主義者が己の良心を振りかざして、公共の利益を無視した勝手な行為を正当化することを危惧しているようだ。そして人々を道徳的に陶冶する役割を漠然と宗教に求めているのだと思う。ようするにへりくつをこねる不良少年にたいし親父は物わかりが良すぎる、もっとガツンといけ、言いたいわけだ。もちろんこのような強い父親幻想は道徳的に無用であり、むしろ有害であるのは言うまでもない。繰り返しになるが、こういうひとにこそまず聖書くらい読んどけと言いたい。

2013年10月16日水曜日

たぶんおかしい 週刊ダイヤモンド「日本国債のタブー」

日本の国債マーケットは名ばかりで3大メバガンク、財務省との談合体質が染み付いていて、市場としての機能を果たし得ない壊れた体温計だそう。
金融緩和に伴って国債金利が上がらないのは、メガバンクが市場原理を無視して買い支えているから。ひとたびスイッチが入って(例えば国債のリスクを銀行のバランスシートに反映させるなどのルールの変更がもし行われたら、)これまで都合良く取引してくれたメガバンクが経済合理的に行動するようになれば、瞬く間に国債は暴落してしまうリスクにさらされるのだそうだ。
疑問は
1.金利が低いと暴落(金利高騰)の原因に、という理屈。ヘーゲルもびっくり。この特集のキモですがどうもよく分かりませんでした。
2.貿易赤字で国債を外国に売らざるを得なくなる? 貿易赤字と国債発行の関係がわかりませんでした。
3.円を増発すれば悪性インフレに!という懸念・・・いまさらですがデフレ下でインフレの心配というナンセンス。

そもそも暴落というとき、だいたい何%の金利上昇を念頭に置いているのだろうか。どうにも針小棒大な印象を受けた。

2013年10月6日日曜日

行ってきました渋さ知らずライブ

横浜にある神奈川芸術劇場で渋さ知らずのライブ。
昨日は銀色のくじらが会場を泳いでましたが、少々難解。今日は多彩な踊り、演劇要素を加えたエンターテイメントでした。コルトレーンがビックバンド組んで盆踊りしてくれたような感じ。
渋さ知らずを実際に見るのは初めてと思っていたが、舞台の両袖のお立ち台で緑の衣裳の女性二人が踊るのを見て、「これ、前に見た」と思いました。
15時7分開演終了19時過ぎと4時間にわたるライブは休憩無し。昨日は尿意に苦しみましたが今回は平気でした。

最後の精神分析 ─フロイトVSルイス─ 

結局行けないのですが、フロイドとナルニアの作者ルイスが神の存在などについて論じるという劇だそう。
フロイドが無神論者だったとは気づかなかったが、無神論自体が神の存在を前提にしているのは言うまでもない。オッカムのカミソリで宗教的経験の諸相から神の概念を取り除いたとしても、神的経験そのものの純粋な存在を認めるならそれは神の存在を認めることと同じだから。
だからこの議論は無神論者としてのフロイドに不利と思われ、どういう脚本なのか気になるわ。

国語審議会 迷走の60年

やっと読了。奥付を見ると2007年11月20日発刊とあるので5年もほっておいたことになる。
戦前漢字を廃止してカタカナ表記にしろとか、いやローマ字だといったことがまじめな議論として取り上げられたいたそうだ。漢字についても現在当用漢字とか常用漢字とかあるように普段使用できる漢字の目安を決めることが国民的課題だった。伊藤忠商事は創業のころはカタカナ文書を公用にしていたそうだ。これはもちろん文書作成の生産性を高めるためで、和文タイプなんか打たせていたら日が暮れるという事情。当用漢字の普及も新聞社が活版印刷の生産性を上げるためにまず採用した。
国語審議会の議論は要するに国家の正統性を言葉の領域でどのように担保するかということで、大変興味深かった。
著者は人名漢字は法務省、文字コードは通産省が制定していて、文部省主幹の国語審議会は何の成果もだせなかったと考えているようだが、そもそも日本人のアイデンティティとしての日本語=国語の確立という主題をめぐる審議だったことを確認するべきだろう。


2013年10月5日土曜日

インプレ MSB AnalogDAC

導入して1ヵ月程。ポン置きで本来音について云々できる立場ではないが、大変満足して聞いている。
今、らじるらじるでNHK-FMを聞いているが、明らかにFMラジオより心地よい。これはもう手放せない。
今までボーズのラジカセもハイファイではないが独特の音の姿があって楽しめると思って来たが、ここで明らかに差がついた。LHH-300Rで聞いていたときはどちらもそれなりに良いと感じていたのだが。
フィリップスのLHH-300R との比較では音のたたずまいは同系、質は一つ上と実感できる。よかった、よかった。値段のことは忘れよう。

このAnalogDAC、標準電源にトランスを2個使っていて、左右チャンネルで分けているのかな?と思っていたが、デジタル系とアナログ系とで分けているそうだ。別売りの強化電源では5つトランス構成だがこれもチャンネルで分けではないらしい。

謎の国際交流基金会計システム

4300万円で発注した独立行政法人の会計士システムに不具合があり放置されているという朝日新聞の記事。

予算3,600万円、開発期間 8ヵ月、開発業者 4社、このあと不具合を700万円、9ヵ月、2社に改修させたが結局システムは使い物にならなかったとのこと。

発注の外観がおかしい。1社あたり900万円。月100万円ですと、エンジニアは1人しかつけられないのでは? 予算が少なすぎる。
4社で開発するというのも謎。どういう体制だったのだろう。受注した会社に取材して欲しい。

ところで、独立行政法人はたくさんあると思いますが、個別にシステムを開発させるのではなく、同じものを使わせるよう工夫したほうがいいと思う。

2013年10月4日金曜日

日野自動車売りました

8月末ごろ買いました日野自動車株を先日我慢できず売却。底値で拾えて儲かるはずでしたがその後伸びず、16万円程度のゲインでした。思ったようには行かないですね。
累積損を解消するべくコツコツ取り組みますが、なかなか厳しい。
消費増税決まり、景気対策が迷走する感があります。円高懸念あり今後自動車関連株も要注意かな。
3ヶ月間株で遊んで思うのは、ルール通り売買することの難しさと、いざと言うとき動けるルールの作り込み、納得性の難しさ。漠然と損切りしたほうが得、と思っていてもその通りにできませんでした。明日の相場は分からない、とうそぶいてもどこか自分の絵の通り動くことを期待しているんですね。

2013年9月24日火曜日

消費増税への違和感

1.プライマリーバランス改善のためには30%の税率が必要→何か前提が間違っているのでは?砂漠に水を撒くような心境になります。
2.3%増税して2%分を公共事業や法人減税の財源にして景気を下支えする→そこまで景気への影響を懸念するなら増税自体を取りやめるほうが合理的。景気後退すれば1%増税しても税収が伴うか疑問。
3.賃金上げたら法人減税→これができるのは大手企業だけのように思う。低所得者は恩恵を受けられず、消費増税の逆進性のみ被る。
4.増税したらデフレに逆戻りは杞憂とか。→まるで金融緩和だけで景気回復できると言わんばかりであきれる。
5.増税に財政再建へのメッセージがない。→景気対策だから公共事業の中身はなんでもいいと公言する議員もいて、すでに何のための増税なのかあいまい。政府の無駄というものは金額的にはたいしたことではないのだろうけど、結果として政策の優先順位づけも正しくなされていないと思う。こんなだから増税に懐疑的にもなる。景気回復で税収増を目指す方が無難と感じる。

何故かマスコミは総理が増税を決断したことをリーダーシップの発揮と評価しているようだが、私には財務省の言いなりになっただけにしか見えない。それなのに増税の責任は総理である自分がとるなどと言わされて、日本の総理はどんだけトカゲの尻尾なのかと。

2013年9月19日木曜日

増税して財政再建できませんでしたでは景気も後退する

どうやらとりあえず消費税8%は規定路線、景気後退が懸念されるが公共事業などを追加してマイナス影響を緩和するという絵のようです。
ここで気になるのが2つ。
1.増税によるプライマリーバランスの改善をどのように見通しているのか不明。本当に財政再建するつもりがあるのか疑問に思う。もともと財務省は財政再建すれば経済(国民の厚生)も改善されると主張していたのではないか?主張のとおりなら景気対策の財政支出は不要、主張が間違っているなら増税は不要。2択じゃないの?
2.消費税増税しても社会保障制度の問題は取り残されたまま。そもそも増税のおおきな理由は雇用、年金、健康保険の制度を改善であったはず。具体的にどうするつもりなのか全く議論していないように思います。
増税実現したら財政も社会保障も忘れて適当な予算作っているようにしか見えません。
多くのひとが夢を実現しようと努力できる社会を目指しているはず。景気が先なのか増税が先なのか、結果がよければどちらでもいいけれど、政府の本気が全く感じられない。これは考えに考え抜いた末の決断とは思えない。

2013年9月16日月曜日

007 スカイフォール

オープニングのアクションシーンがすごい。この15分間に、並の映画5本分くらいのクライマックスが凝縮されている。ここだけでも見る価値がある、

というかここだけで十分。全体に波というかうねりがなく単調なので70分くらいにまとめてくれてもよかった。

この映画にはどうしようもなくユーモアが欠けている。が、下手な冗談が面白いという哀愁という点では成功しているとも言える。
007は二度死ぬともいうが、一度死んだ男達が再生叶わず二度目の死を迎えるという運命が本編にこだましている。007は最後に復職するが、それは生を暗示するのではなく死に場所を探すためのモラトリアムといった風情だ。あまりに生真面目にハードボイルドなのでつらい。007はチャラ男でいい。

2013年9月11日水曜日

Kライン株売りました

6月に買った川崎汽船株を売りました。今後も伸びが期待されると思いますが、199円→250円なので十分でしょう。欲張りません。
10年くらい前、お寿司屋さんで仲良くしてくれた紳士がKラインの方だったりしたので、この会社には親近感があります。

本当はもっと細かく売り買いしたいのですが、購入株数が1単位なのでどうしようもありません。妄想としては20単位買って、5%上がったら1単位売る、下がったら買う、というようなことをしてみたいのですが。

2013年9月8日日曜日

リコーのスマホ用カメラ シータ がすごい



日本未発売で3万円くらいするらしいが、QuickTime3Dが簡単になった画期的なカメラ。動画も撮れればさらにすごいがどうなのか。
最近日本での発売未定という新商品が多いように思う。すでに日本のマーケットは国内メーカーすら見放されているのか?

MSB AnalogDAC と伊勢海老オーディオ

伊勢海老オーディオとは、2000円の煮魚定食に6000円の伊勢海老鬼瓦焼をつけたが価格アンバラスな上にイマイチ美味しくなかったという一点豪華主義を戒める故事である。
というわけでLHH300Rの後継として何故かMSBのエントリーモデルAnalogDACを導入した感想を。なお、お店のひとには上級機での自宅試聴を勧められましたが断っていました。もし上級機で音が良くなければ、スピーカーを買い替えることになるし、音が良ければ結局そちらの方が欲しくて欲しくてたまらなくなるに違いなかったからです。それは予算的に大変つらいことだったのでどうしても避けたかった。というわけでお店でその上級機を試聴して、ヤマカンで導入を決定したのでした。ラベリーのDACを買い損ねてからやはり趣味で買うならマルチビットDACだよな、という想いが先行していました。

というわけでとりあえずLHH300Rをトランスポートに使用。持ち合わせの安いTOSLINKケーブルで接続。最新DACの音への期待に胸を膨らませる一聴、その音のたたずまい、雰囲気はしかしこれまでとほとんど変わらない。これがフィリップススイングアームトランスポートの支配力なのか?と一瞬疑ったがあとでUSBで聞いても同じ。これにはまずがっかりした。

もちろん私は300Rが気に入っているしその音に不満はない。しかしウン十万円もする最新のDACと15年以上も前の趣味のオーディオ入門機とが音の雰囲気はほとんど同じとは何事か。もっとこう、音場がふわーと広がって、音がきらびやかに輝くような、べつにそんなもの好みではないが致し方ない時代と機器のグレードの違いというものがあってしかるべきではないか。まあ漠然とそんなことを期待していたようである、私は。

よく聞けば埋もれていた声が明瞭に聞き取れ、舞台裏で警備のバイトをしながらひっそりと聞いていたのが、1階中央後方S席のチケットを買って聞くまでに至ったくらいの差がある。これこそ15年の技術の進歩とウン十万円のお布施の成果である・・・しかし。
まさかCDプレイヤーで音は変わらない説は本当だったのか?別にホールのどこの席でも音楽は鑑賞できる。演奏者が見えづらかったりすることはあっても、音が全然変わってしまう席なんてものはない。CDプレイヤーの差なんて、S席と舞台裏の警備の差程度、成金やなんとか押しのファンの自己満足と同程度のものでしかなかったのだろうか。いやいやそんなはずはない、確かにマランツのネットワークプレイヤーNA7004はひどい音だったじゃないか、売るとき聞き直したら結構まともだったような気もするが、とにかくあの時はLHH300Rが一番だったはず。そうだオーディオにはヒエラルキーがあるんだよ。そんな問答が頭の中を渦巻きました。

平静になると、これはこれで悪いことは何もなく、おそらくスピーカーのハーベスHLコンパクト7初代と47研究所ゲインカード(25W)の限界、というかこういう音なんだろうな、よかったよかったこれでいいんだと気を取り直しました。私の20年間のオーディオ人生を全肯定です。何も悪くない、これで悪くない、どこも悪くない。

というわけで、やっぱりスピーカーを換えたいかな、と思うようになりました。

マクドナルはポテトフライのセットメニューをやめろ

先日、神楽坂のマクドナルドで、クオーターパウンドチーズバーガーのセットメニューをいただきました。お昼にあまり時間がなく、土地勘もないので適当に済ませたかったのです。

値段のことは言いませんが、マクドナルドのイメージとしては高めでも他の飲食と比べれば納得の設定。100円マックとかもう無いのかなとメニューを探しましたがよく分からなかった。
コーヒーとハンバーガーは美味しかった。問題はポテトフライでセットメニューとして考えた場合、とにかくバランスが悪い。コールスローか温野菜のサラダでもつけるべきところです。コスト的に厳しいのなら野菜ジュースのゼリーなんかはいかがでしょうか。

結局ポテトフライが粗利の源泉なのでしょうが、これが食事としての価値を著しく下げています。セットメニューはお店の提案なのですから最も魅力的であるべきで、簡単に利益をだすことを目的にしては本末転倒なのです。

今の社長がアップルジャパンからマクドナルドに移って矢継ぎ早に改革を打ち出したころは、店もきれいになり、コ−ヒーも美味しくなったと私も感心しました。ところが当時と同じことをしているのに今では全く魅力を感じなくなってしまい、飲食店経営の難しさ(お客の気難しさ?)を実感します。マクドナルドさんごめんなさい。
もっと言うと、朝マックはしょっぱすぎです。あんなの食べられません。

2013年8月31日土曜日

板ガラス売りました

ちょと前ですが、長年塩漬けにしていた日本板ガラス株を全部売却しました。
塩漬けにしている間も値下がりを続け、結局425万円の損。3割下がって顔面蒼白になったときに損切りしていればよかったのに。初心者で損をするのが嫌だったんですね。
その金で海外旅行でも行けばよかったなあ。
まあ、私の人生そのものが旅のようなものなので、いいです。
それにしても、ここまで下がるとは想像できませんでした。10年もすれば戻るだろうと思っていました。ピルキントンの買収は完全に裏目に出ましたね。買収してすぐ独禁法違反でEUから制裁金をとられたときに何か変だなと思いましたが・・・こんな一部上場企業もあるから怖いですね。

2013年8月19日月曜日

鎌倉八幡の美術館で松田正平展

暑いので涼みに立ち寄った。このひとは晩期の作品がよい。歳をとってから作風が変わるのはすごいですね。
オヒョウ 
烏賊とか梨とか、透明感のある明るい絵が気に入りました。生きている画家の描いた絵ってどこで売ってるんでしょうね。画廊?
いままで美術館で、この絵欲しいと思ったことはなかったので、自分の反応が面白かった。


2013年8月18日日曜日

伊勢海老とハイファイオーディオ

先日、三崎まで自転車で行って伊勢海老の鬼瓦焼きを食べてきました。三崎で伊勢海老が獲れるのかは知りません。
ぷりぷりの伊勢エビは箸が通らず、とても食べづらい。結局手でむしって食べました。
まずくはないですが料理としてはどうなのかな、値段を考えると。食べられない部分が多いのも気になります。

オーディオも、良いのは分かるけどこの値段?と思う部分があります。まあ伊勢海老を買っただけで、料理するのはこれからとも思いますが。どうやら自分はちゃんと聞ければ細かいことには気にならない性質のようで、あれこれ比較試聴して選ぼうという気力がありません。やはりむやみに高級食材に手を出さないように気をつけよう。

パルコ劇場 それなり心中


三谷版はチェーホフ桜の園以来で今年は縁がある。今回は近松の曾根崎心中のリメイクかと思っていたがそうではなく、曾根崎心中が売れて心中が流行したという天神ノ森を舞台にした三谷コメディだった。
自殺の名所になった曾根崎で饅頭屋を営んでいた夫婦が、便乗商売を企画して大ヒット。ところが近松の次回作、心中天の網島の上演が始まると曾根崎は閑古鳥が鳴くように。経営難に陥った夫婦は近松に新たな曾根崎心中を執筆してもらおうとする。そのためにはこの曾根崎でそれなりに興味を惹く心中事件を起さなければ・・・というお話。
このストーリーだけで面白さは理解してもらえると思うが、同時にどこか平板で物足りなさもある。
比較して、近松の曾根崎心中はかなりおどろおどろしいストーリーを比較的少ない語数で描ききってたんだなと改めて感心した。

2013年8月14日水曜日

アナログDAC届きました。

とりあえず、LHH300RのTOS出力で音出し。47研の25wアンプ(電源2個)、ハーベスの初代コンパクト7という構成です。
LHH300Rと比較しても仕方ないのですが、ピアノの複雑な響きが聞こえて来て、すこしまじめに傾聴することができます。オペラを聞くと高音のエネルギーが強いせいか、「さしすせそ」の破裂音が障ります。スピーカーの中で誰かが「しいっ!」と言っているような感じ。この辺りはおいおい検討しようと思います。
DACを替えた違和感は全くなく、1週間もすれば換えたことを忘れそう。
音調は細いところもなく、太くもなく、精緻でもなく、稠密でもない。高級機っぽい味付けもない。古い音源でもそれなりに楽しく鳴らします。

2013年8月10日土曜日

仕組まれた人生 本当の自分

バニラスカイをマトリクスと比べてしまったが、これは本当の自分探しというドラマの系譜に連なる。
2000年前後によく流行ったテーマだと思う。トゥルーマンショウ、大いなる遺産、ゲーム。

バニラスカイ DVDで見ました。

オープンユアアイズとの比較。
お互いに似顔を書きっこするシーンで、オープンユアアイズでは美学生が試験で描くような写実的な絵であるのに対し、バニラスカイでは特長を捉えた美しい似顔絵。そしてトムクルーズに「これが僕の目に映る君」と言わせている。
ここに夢に対する現実をあくまで客観的なものと捉えるオープンユアアイズに対し、自分が見て感じたものをリアルとするバニラスカイの世界観が端的に現れている。
タイトルのバニラスカイとは印象派の描く空の色で、世界を主観的に捉える=自分の人生を自分のものとして生きるというテーマを端的に示している。
ストーリーはオープンユアアイズを踏まえたものだが、バニラスカイはこのテーマをかなり用意周到に準備していて、ベタとも思える細かい演技、小芝居、思わせぶりな台詞で夢と現実という対比で語られる何ものかや、人生の豊かな感情世界を表現している。(が、付け加えると、ペネロペやキャメロンディアスの過剰な可愛らしさには辟易した。)
もっともそれは前半のみで、後半はトムクルーズの一本調子の演技が気になってくる。もっともこれは自分をハンサムと自覚している男のエゴ、退屈さを演じきっているとも受け取れるので、彼を大根役者と決めつける訳にはいかない。が、この映画の意味の重層性を損なっているのは間違いない。
ラストはバニラスカイを背景にした屋上反省会で、オープンユアアイズを見ている観客にとっては不要。仮にデビットリンチなら、同じ結末でももっと違う描き方をしただろう。
1999年のマトリクスをつい連想してしまうが、バークリー風の懐疑論よりもそれを乗り越え、力強く生を肯定する思想により重点を置いたところにマトリクス以降の映画作品としての時代性を感じる。
オープンユアアイズの似顔絵

2013年7月21日日曜日

ガルパンは21世紀版ガンダム

子供の頃感じたガンダムのリアリスムと同じものがガルパンにはある。ガンダムがロボットアニメに一見リアルな戦争という雰囲気をうまく導入したのと同じ仕方で、ガルパンは美少女学園ものに管理された戦争(設定としては戦車道というスポーツ)というモチーフを組合わせている。
ガンダムを越えて息の長いシリーズに成り得ると思うが、ガンダムのパロディを意識してケロロ軍曹のようになってしまうかも。
そうはいっても、見ているほうも「砲弾などそうそう命中するものではない」なんて台詞にころっといってしまうのですが。

チェーホフと恨(ハン)の思想

韓国の心情の根源にはハンがある。私の好きな予告編の映画『風の丘を越えて』で言われています。
今日『ワーニャおじさん』を見て、この映画を思い出しました。

ワーニャおじさんは崇拝していた男に幻滅し、彼に貢いで浪費した人生を後悔しています。その上経営している農園を売って株すればよっぽど稼げるなどとふざけた提案するので、逆上して彼を撃ち殺そうとするも果たせず。
これがきっかけで男と別れることになるのですが、一応仲直りして今まで通り仕送りはすると約束することに。誰もいなくなり姪と二人きりで仕事をしながら、おれの人生なんだった?本当につらいよとこぼすと、「死んだら一息つけますよ」としみじみ慰められます、というお話。
若い頃の熱狂から醒め、人生全て無駄にしたという感情に取り憑かれ、恨みがましい気持ちを最後に飲み込んで目の前の仕事を済ます。幻滅という感情の不都合なのは、変わったのは相手ではなく自分だということ。相手が憎いということ以上に自分が情けない、だけどもう奮起するには歳をとりすぎている。何もかも遅い。ちなみにワーニャおじさん47歳。もしも私を捨てるなら、17歳の私に還してよ、と言える相手がどこにもいないやるせなさ、これがハンかなと連想しました。

勤勉なのはいいけれど、どうせやるなら役に立つことをしたらどうです?と皮肉を言われて、舞台の下からこの男に殺意を覚えました。こういう心からの感情が沸き起こるのがチェーホフ劇の楽しいところです。池袋の東京芸術劇場にて。

2013年7月20日土曜日

欲しいかも アダムオーディオ S5XーV

あるところでマルチアンプのシステムで試聴させていただく機会があり、やはりフルレンジでは限界があるなあと物欲を刺激されました。
ふわっと広がる音場に、これはツイータが優秀だからと説明され、自分のハーベスにスーパーツイーターを追加しようかと物色しているうちに見つけたのが、アダムのハイルドライバーユニットをつかったスピーカーシステム。
これよりも高音をカバーしてるものはあるが、ここではツイーター、ミッドをカバーしている。4ウエイマルチアンプで1本60万円くらい。アンプ内蔵であることを考えるとリーズナブル。格安と言って良いだろう。
スペースファクターの良さも魅力だ。しかもなんとオプションでDAC内蔵できるらしい。しかしその価格は分からんかった。気になるが、DACは注文しちゃったしなあ。早まったか?
問題は重さ50Kg 高さ80cmのガタイのよさ。・・・担げない。

2013年7月15日月曜日

アンドレアスグルスキー展 に行ってきました

グルスキーも一種のジョイントフォトだと思うが、ホックニーとの違いはつなぎ目をきれいに処理して視線の運動の痕跡を消しているところだと思う。
ホックニーにおいては親密さを生み出す手法が、グルスキーではあり得ない体験のイリュージョンをを生み出している。
北朝鮮のマスゲームの写真では、デジタル職人ぶりが度を越していて、鑑賞しているひとのなかに、コピペの指摘をしているひとがいました。見るひとが見るといろいろ分かるようです。

わたしは普段あまり作品の解説は気にしないのですが、今回は何を撮ったのかすごく気になり、いちいちタイトルを確認したりしました。
一見、そのまま撮っているだけのようでも、実際はかなり作り込んでいるようなので、そのイメージの具象性と作品全体としての抽象性とのギャップに戸惑うのかもしれません。
それにしてもみなさん楽しそうに鑑賞していたのが印象的でした。作品に近づくなと注意されているのに、ついつい指をさしてここがどうこうと話込んでいるひとが大変多い。こんなに盛り上がる写真展は経験ありません。乃木坂、国立新美術館にて。

初台で ブレヒトの 三文オペラ 

乞食でも見られるようお代を3文にしたから三文オペラ、という前口上が本来らしい。
入場料9000円だったから、今回は9,000円オペラ。
新国立劇場より野外劇場やテント小屋、ショッピングモールの広場あたりが似合いそう。楽団の編成もちいさくて、大きな舞台で映えない。
最初の印象は変な曲! だったが、後で調べたらなんとクルトワイル作曲だった。
youtubeにあるのはわりと聞けるので、こちらはおすすめ。


ストーリーは女にモテる悪人が絞首台に架けられる寸前、女王の恩赦で貴族になりお城ももらってめでたしめでたし、というもの。昔の演劇のパターンにラストは太陽神アポロンが登場してめでたしめでたしというものがあったと思うが、そんな感じかも。
このラストには荒唐無稽と思われる方もいるようだが、私はこれ以外にはあり得ない素晴らしいエンディングだと思った。
解説によると、初演は1928年8月31日ベルリン。『華麗なるギャツビー』と同時代ですね。
ストーリーと乞食の元締めピーチャムの賛美歌は18世紀イギリスのジョンゲイ作、ペープッシュ音楽による『乞食オペラ』から、詩は15世紀フランスのヴィヨンから借用だそうだ。今回の上演の目玉はほとんど唄われることのないルーシーのアリアがあるところらしい。非常に珍しい完全版三文オペラだそうだ。
私としては、もう少し音楽にノレたらなあ、というのが率直な感想だ。

2013年7月13日土曜日

女性の自己決定権と生まれなかった子供の権利

最近便利な堕胎薬があって、もっと普及すれば母体保護に有効なのにという話を飲みながらした。ネット販売解禁になれば、爆発的に売れる。株でも買っておこうか・・・
現在の法規制では、医師の目の前で服用が義務づけられていて価格も1万5千円もするそうだ。
酒場ではここで倫理的な問題が云々と始まったが、要するに女性自身の自己決定権の範疇で、事後的にも望まない妊娠はおできのようなものだ。勝手な倫理観で女性を抑圧して体を痛めつけるような手術を強要するのは間違っている。さっさと解禁して儲けよう。

ところが、数年まえ、私は全く真逆の主張をしていた。
生まれないほうが幸せな子供なんて存在しない。全ての子供はこの世の光りの中で祝福されるに値するのだ。親の都合で子供の幸福を計ってはいけない。社会は未来の子供たちのために、ようこそ光りの国へ、生まれて来ておめでとうと言ってあげらるようにしなくてはならないのだ、と。
そのころ『ひかりのまち』という映画を見ていたからかもしれない。


どちらも私の考えてあり、矛盾しているとは思わない。出産は女の問題だが、ニキビのようにつぶされた子供の幸福は成就されないままどこかへ宙づりになる。生まれなかった人生は消えることもない、無に帰ることもできない。そう思い至って今、戦慄したよ。



神々と男たち


野に咲く花は光りを求めて歩き回ったりしない。
神は私たちがそこに在るがままで命を授けてくださる。
というわけで、全員残ることに。
 1996年にアルジェリアで起きた修道士の虐殺事件を題材にした映画。
暴力に屈せず、愛と歌の力で立ち向かい、イスラムとキリストの友愛を説く感動の映画です。この人達の存在が文明の衝突を乗り越える導きの光りです。

歌の力で武装ヘリコプターを追い払う。
感動場面、デカルチャーである。
改めて考えると、イスラムもキリスト教も同じ神を信仰しているので、一神教という点では矛盾無く共存可能。仏教徒のほうがやばいが、仏教徒を無神論者とは呼ばないので、宗教上の対立はそもそも神の問題ではないと分かる。
過激派が宗教を隠れ蓑にテロを正当化できなくなる時代が必ずくる。


復刻グーテンベルグ聖書ゴールドリーフ

銀座の教文館で、グーテンベルク特集。
復刻の聖書リーフを販売している。金箔押しの豪華版が5万円。現存するグーテンベルグ印刷機で作成したものだそうだ。
買うならヨブ記だな〜と眺めた。ちなみに本家のグーテンベルグ博物館でもネット販売していて、そこでは195ユーロ。日本に送ってくれるのかは分からん。
なお、教文館では、売り上げの一部を博物館に寄付するとのこと。
グーテンベルグ博物館 オンラインショップ
job で検索できます。

初めて印刷機を使ったときの驚きはどんなだったろう?
それにしてもこの聖書印刷の気合いの入れ具合には感嘆する。

ガリ版刷りからゼロックスに移行したのも第二のグーテンベルグ革命と言える。ここで印刷技術のコモディティ化が高価なものの複製から、筆写の手間を省く利便性の追求へと質を転換した。
そして今日、ホームページやブログ、SNSによって、読むから書くへと意識が移行している。読書体験はSNSとシームレスにつながり、そこでのコミュニケーション、書くことの一部になる。

JST複写サービスのクレジットカード決済の方法が分からない

請求書が来て、どうやらカード決済できていないことが分かった。調べてみたが結局よく分からんので、次回複写をもらうとき確認することにして、振込で済ませた。
5pのコピーで1027円。ネットで検索して、申し込むと郵送してくれる。大変便利だが高価。電子化してアプリで販売できるようにしたほうが費用の使い方として正しいと思う。
JST文献情報提供サービス

バンドデシネ 闇の国々

バンドデシネはいくつか試してみたが、面白く読めたのはこのシリーズ。これは文字も多くなく読み易い。
カフカっぽいユーモアがベースにある。読後、こんなお話を自分は書きたかった。そう思ったひとも多いのではなかろうか。誰もが見る夢を形にしたような雰囲気がある。

ただし、マンガ本編以外は読み飛ばした。緻密な作品世界を構築しているが、そうことに自分は興味がないと分かった。

大きな本で、置き場所に困ったので、3巻ともすぐ古本屋に売った。買い取り価格は十分の一くらい。
第4巻もでるそうで、楽しみだ。

2013年7月7日日曜日

見ました コンプライアンス

これは見続けるのがつらかった。
怒りで血圧が上がります。
電話一本、警官を名乗る男の指図でファーストフードの店長が従業員のパンツを脱がしてしまいます。
観客の中にはこんなことあり得ないと思ったひともいるようですが、ここまで極端ではなくても似たようなことは日常あると思います。
この映画では警察や会社の偉いひとはあくまで無謬の正義の味方で、観客に安心感を与えていますが、実際には、警察の犯罪、司法や立法府の怠慢でひとの尊厳が踏みにじられることもあり得るわけです。そしてそのとき守ってくれるひとはだれもいません。
正義を嵩に見知らぬ他人を裁くことが大好きな人達をみれば、社会的にオーソライズされた犯罪に見えない行為こそ、私たちが意識すべきことだと思います。
私の好きな道徳的に責めるプレイを扱った映画の典型ですが、そのまんまでストレート過ぎ、罪悪感が残りました。

本棚スピーカーは床に置かない

部屋が狭くてスピーカーをきちんとセッティングできない、ついては小型のスピーカーを検討したいとお店に相談したところ・・・
小型スピーカーはスタンド使用前提。せめて机か本棚に置きなさいとアドバイス頂きました。
小型だから場所をとらないと考えるのは間違いだそうです。

というわけで、取りあえず今あるコンパクト7を床ポン置きからデスクトップに変更しました。するとどうでしょう、これだけで低音のふくらみが改善されスッキリ見通しよくなりました。



2013年7月6日土曜日

DAC ポチりました

先日オーディオショップに遊びに行ったら、CDプレイヤーは今のうちに買っておかないと、あとで手に入らなくなりますよとアドバイスされました。
それからつらつら、47labの一体型か、ソウルノートのトランスポートでも買っておこうか、そう思っていた矢先のこと。
ct1.0を使う仮定ででDACを物色していたところ、アマゾン中古で10万円のDA974を発見。新品なら80万円、神の声と勘違いしてクリック決済してしまいました。
Lavry のDA924 は一般的なデルタシグマ型ではなく、抵抗器を使ったマルチビット型。
かなり設計の古い機種で、すでに後継機DA2002が出ていますがそれもRCA出力が強化されたくらいの変更のようです。

アマゾンから注文キャンセルの連絡ありました。在庫切れだそうです。仕方ないですね。

2013年7月3日水曜日

映画館に行こう 『コンプライアンス』



シネマカリテに行きます。今週の土曜日まで?

上映中だよ スプリングブレイカー



映画館に行ったら、ハーモニーコリンの映画が上映中。時間が合わず見られなかったが、配給会社は宣伝が下手過ぎないか?

見ました 『華麗なるギャツビー』



フィツジェラルドは読んだことが無いのですが、お話としては『モンテクリスト伯』だなと思いました。
映像は書き割り的で少々退屈。テンポよくまとめてますが、なんとなく平板な感じもします。
振り帰って考えると本当はすごい話なんですが、分かりにくかったかも。

2013年7月2日火曜日

イントロが有名な洋楽の何か 「エヴォリューション No.9」


エヴォリューション No.9


この曲のギターイントロの、「おえおえおっつおおお」て何の曲だったか気になる。

わたしはかもめ 悪の華(8)

悪の華の第8巻。名作です。
死んだ人生を生きる、と7巻で感傷に浸っていたら、ぐさっと刺されました。
「どうして仲村さんのこと知らないの。」
「ずっと逃げて来たんだね。」
「自分の慰めに彼女を使って、面倒になったらまた捨てるんでしょ。」
「そうやってあのこ不幸にするんだ。卑怯だね。」
「そうだよね、ひとってそんなもんだよね。でも、がっかりした。」
(すべて記憶で書いております。)

チェーホフのかもめで、ニーナがコースチャの部屋で再会したシーンを思い出します。佐伯さんを見て、初めてニーナの負った傷の深さ、つらさ切なさと、でもそれを越えようとする力強さを実感できたように思いました。
絵も描き分けが巧みで、内面を正確に伝えています。他の作品ではそれほど絵がうまいとは思っていませんでしたが、この作品では台詞と同じくらい絵から語るものがあります。

2013年7月1日月曜日

羽田空港の美術展

【出品リスト】
1.唐物尻膨茶入 玉堂手
2.唐物尻膨茶入 銘 下草
3.唐物大海茶入 銘 柏原
4.南京染付茶入(青花共蓋小壺)
5.瀬戸丸壺茶入
6.瀬戸大海茶入 銘 白鼠
7.瀬戸肩衝茶入 銘 ふか草
8.瀬戸耳付茶入 銘 杜若
9.瀬戸肩衝茶入 銘 揚顔
10.瀬戸肩衝茶入 銘 広沢
11.高取茶入 銘 如笑
12.瀬戸肩衝茶入 銘 花さくら
13.瀬戸茶入 銘 初風
14.瀬戸(乄切)茶入 銘 乄切
15.瀬戸(芋子)茶入 銘 白いと
16.瀬戸肩衝茶入 銘 しののめ[前期展示]
17.瀬戸肩衝茶入 銘 浪華[前期展示]
18.高取茶入 銘 青江[後期展示]
19.瀬戸茶入 銘 山桜[後期展示]

羽田空港の3階。入場無料です。リストの1〜4の古い唐物がよいです。尻が膨れるとかいて「しもふくら」というらしい。江戸時代のものと比べるとかなり小振り、端整で美しいです。

2013年6月29日土曜日

従軍慰安婦問題から感じるきれいな戦争という幻想

橋下氏の沖縄駐留米兵は風俗に行け発言は、デリカシーに欠ける非常識発言だったと思う。普通に米兵の犯罪は軍紀以前の問題で、これを事実上放置している現状は侵略状態に等しい、沖縄の女性は米軍の慰安婦ではない、とでも言ってやればよかった。
ニューズウィークなどこの問題に反応した記事を読むと、結局米国は風俗業そのものを忌避していることが分かる。慰安婦についてこれを強制ではなくビジネスだったと主張する日本とのズレがここにある。レイプは違法で風俗は合法という主張は、彼らの女性の尊厳を守るという観点からは詭弁に過ぎない。セックススレイブだったのかビジネスガールに過ぎなかったのかという論争はそもそも成り立たないのだ。
大変立派なご意見であり、是非その高等な道徳で米兵を律して頂きたいものだが、この道徳観で1931年〜1945年の日本を凶弾するのは公正さに欠けると思う。
当時は男尊女卑、軍国主義で世間の常識そのものが今とは違う。そしてなにより全体に貧しかった。世界的に評判のドラマ「おしん」も児童労働と人身売買のお話だ。
米国だって当時はバリバリの人種差別国家で、日本との戦争では民間人も無差別攻撃する非人道国家だった。ひめゆりの塔、東京大空襲、広島長崎原爆投下。これらの事件を戦後教育では戦争の悲惨さと教えられるが、要するに米国の非人道的殺戮行為に過ぎない。日本兵が風俗に行っていたことを弾劾する米国が、一方でこの非人道的戦争犯罪を看過できるのは何故なのか。
これは欲望のための暴力は犯罪で、正義のための暴力が戦争だと米国が考えているからだ。米国にとって戦争は公共の福祉の実現を目的としており、その限りでどんな虐殺も正当化される。反対に軍隊のハラスメントはそれが個人の欲望に根ざしているならば決して看過できないわけだ。(全然まとまらないが、まとめる気力もなくなったのでこのままで終わります。)

カラーオーダーで遊ぶ ペンタックスQ7

最近のデジカメは本当にコンパクトですね。Qシリーズも小さくて、体感で写真のが実物大。
今回のカラーオーダーは色がきれい。私が買うならこの組合わせ・・・完全に術中にはまっています。
コンデジは簡単そうで案外使いづらいのですが、これは一応一眼レフ風の操作系ですかね?

2013年6月23日日曜日

日比谷シャンテ前でインド人に無心された

新橋から有楽町までメトロの乗り換えの為に少し歩いた、シャンテの前で。
すれ違いざま、小さな声で、Can you speak English?
まあ道案内くらいならと立ち止まって話を聞く。
すると彼は、お腹が空いてお金がない。つまり金をくれと。
お前どこから来たと聞くと、インドから来て小田原に住んでいて、ここには仕事を探しに来た。帰る金がないと。
バカヤローと思ったが、本当に困っているのかもしれない。
仕方がないので、Eat!  まずこれで何か食え!と1000円渡し、Go home!これで家に帰れともう1000円渡した。すると、小田原は遠い、1500円くれという。いい加減にしろと思ったら顔に現れたらしく、妻と子供がいて・・・と言い訳始めた。
もう勘弁しろだが、財布に1000円札があと1枚だけあった。最後の1000円を渡した。たまたま株の配当でその日3万3千円を持っていた。
1000円あってよかったと心底思った。もし1万円札しかなかったら、たぶん1万円渡していただろう。
金を渡すと余裕がでたのか、ハローワークは何時からかと聞いてくる。9時〜17時で土日はやってないと教えてやったが、だいたい日比谷にハローワークあったか?
別れ際いまいましいが握手して I can not help you! と言って別れた。
小田原のハローワークに行けよ!と思った。ところで外国人の仕事探しってどうなっているの?

語彙が少ないと思考も単純になってしまい、日本語ではあり得ないような行動をとってしまう。もう少し英語を勉強して、こんなときでも冷たくあしらえるようになりたいものだ。

文学座 ガリレイの生涯

池袋 あうるすぽっとにて。
サンシャインのそば、東京メトロ東池袋駅もより。
上演2時間50分。休憩は1回のみ15分でした。

ブレヒトは先日みたジャン=ストローブの映画つながりで関心を持ち、この度上演を見る機会を得ました。
ブレヒトは広島への原爆投下を知って脚本を書き直したそうで、実際にこのセリフだな、とあからさまに分かります。私には少々陳腐に思えますが、原発問題などアクチュアルな課題を示唆しているとも言えるので、そこは好きずきでしょうね。

ガリレイが異端審問にかけられているとき、弟子たちがガリレイがキリストよろしく真理の犠牲となることを期待する場面が良かった。抑圧された民衆のねじ曲がった願望をストレートに描いて揶揄しています。貴族や地主階級が悪で貧しい労働者が善というような書き割りではない、冷静な視点がいいですね。
この作品から党派的に都合の良い教訓を引き出そうとするのは間違いだし、そんな簡単なお話ではないのです。

ドラマは1609年の望遠鏡による天体観測開始から、1638年の新科学対話の出版前夜までを描いています。日本ではようやく戦国時代が終わったころ。400年経って、今では真実は誰の前にも開かれているはずなのに、却ってそこから遠ざかって個人の空想イメージや政治的な都合で社会のストーリーが決められている。異端審問所はローマから拡散し一人一人の心の中にあって、人々は他人を陥れようと道徳的に他者を責めるプレイの悦楽に浸っています。

デザインだけで欲しくなる 新しいMAC PRO

新しい MAC PRO(HPへのリンク)
今気がついたのですが、アップルのHPに年末発売予定の次世代MAC PROの紹介がありました。シンプルでしかも小型。ワイヤレスでどこにでも置ける。Thunderboltで十分な拡張性。廃熱を考慮した合理的な設計で機能美を感じます。


一家に1台置いて、ポメラのような端末で家族で共用する、と言うような使い方はできるんでしょうか?子供のPCを管理できるのは親にとっても関心の高いところと思われますので、そのあたりのサポートがあれば一般家庭へのMacの普及が急速に進むかも。
価格が気になりますが、ワイヤレスモニター、キーボードを3人分セットで30万円(3人分のiMacを買うより安い!)という戦略を期待しています。
まあアメリカで組み立てるそうなので、あまり台数を売る気はないのかもしれないですね。

あたらめて比較すると本当にコンパクトです。
新しいMAC PRO      直系16cm高さ25cm。
47Labの電源              直系13cm、高さ20cm
Vivlabのμスピーカー 直系14cm高さ23cm。
もしVivlabからピアノブラックモデルが出たら揃えてしまいそう・・・
PCオーディオ分野でデザインを揃えた便乗品が登場しそうな予感です。



2013年6月16日日曜日

電動歯ブラシ買いました。

本格的な電動歯ブラシが6,000円くらいだったので、ヨドバシで衝動買いしました。
フィリップスを選んだのは、売り場で目に付いたのと、初めてならオススメですと家電コンシェルジュさんに営業されたので。
最近歯を磨くのがまた面倒になってきたので、気分転換のためいいかなと思いました。
歯磨き道具はいろいろ使ってみたことはありますが、使わないと効果はありません。

ジョンソン リーチデンタルフロスワックス・・・少女マンガの『サイファ』の小ネタエピソードに触発され購入。当時二十歳くらいだったが、歯の隙間にフロスを入れられず、全く使えなかった。いまでも持ってます。
ミニマムのハピカ・・・20年くらい前に使用していた。当時は1000円くらいしていたように思うが、今は500円もしないらしい。初体験ではくすぐったい。毎日磨くモチベーションになった。
キス ユーのイオン歯ブラシ・・・電動歯ブラシに飽きたあと使用。数年使っていました。微弱電流で唾液をイオン化して歯垢を分解する。磨くと唾液が汚くなるので、落ちてるなあと実感できます。
サンスター ガム デンタルブラシ・・・毛先極細で気持ちがいい。割引がないので高いが、おすすめ。これに限らないがヘッドは小さいのが使い易い。
小林製薬 糸ようじ・・・最近買って見たが、歯と歯の間に入っても抜けない。やはり使えなかった。
フィリップス ソニッケア イージークリーン・・・ボタンは1個でシンプル。基本機能のみ。使い心地はよい。私を診察してくれた歯科医はブラウン派だった。歯磨きに15分くらいかけろと指導されたが、フィリップスは2分で停止する。磨き過ぎも良くない?

2013年6月10日月曜日

法人税下げるなら

法人税の引き下げが叫ばれているが、単に税率をいじるより、簡素化、分かり易さに配慮したほうがいい。
動産の固定資産税なんて廃止でいいのでは?
法定耐用年数には弊害が多いと感じますよ。
社会保険料の会社負担も計算し易く直すべきです。
とにかく簡単に払えるようにするのが大事。
国民の義務だから手間ひまかけて正しく計算しろなんてお上の傲慢ですよ。

2013年6月9日日曜日

高いよ、株取引の手数料

HPの説明書きを読んでもよく分からんのでしたが、取引報告書によると今回は、各銘柄1500円。ざっくり1%くらい。
売却するときも同じくかかりますので、課税を考慮すると最低でも3%のゲインがないと手数料で負ける。
ほっておけば配当で2%くらいもらえるので、売り時は5%の利益が一つの目安かも。あまり細かい取引はできないですね。

昔はそのままどんどん値上がりして、一度売ったらもう買えなくなるかも、と心配していましたが、そんなことは起こらないと10年かけて学習しました。

話は変わりますが、約定から清算まで3日あるので、もし月曜日に1株買って、それとはべつにもうひと株売りを入れて、水曜日の清算日までに下がっていればそこで1株買って充当し、上がっていれば同時に買った月曜日の1株を差し入れて清算する、なんてことができれば損しないんですが。

オーディエンス the ONE スピーカー

CDケースと比べると大きさが分かる。
ヴィヴラボのマイクロも良いのですが、47のアンプで鳴るのかな、という疑問もあり。47のスピーカーでは当たり前過ぎるし・・・
ユニットは3インチ一発。ネットワークレス。




というわけで、このスピーカーの導入を検討していました。(が、とりあえずハーベスでしばらく頑張ることにしました。)

密閉式ですが、裏面にパッシブラジエータがあり、低音もバランスよく鳴りそう。
背面にパッシブラジエータ
お値段も定価13万円と比較的お手軽。
ペア5万円の高級ユニット
ネットワークもないので自作も出来そうですが、このユニットだけでペア5万円もします。
国内ではマロニエオーディオというところが扱っています。(現在セール中!)
特性がすごく良いようですね。
このスピーカー今後値上がりしそうだから、やっぱり今のうちに買ってしまおうかしら。

40Hzから22KHzまでフラット




AETカーボンインシュレーター

大昔、タオックのラックの足に着けようと購入したものの、ねじの規格が合わず活かしきれなかった円錐型のインシュレーター。
ハーベスコンパクト7のフロントバッフル下に配属が決まりました。

床にベタ置きで膨らんだ低音がしまり、ボリュームを上げても見通しよくスッキリ鳴ります。コイン型のメタルプレートでは効果が薄かったのですが、円錐型で床からしっかり持ち上げるのがよかったようです。
部屋が狭く、まともなスピーカースタンドを置けないので、スピーカーを換えようと検討していたのですが、これならまあまあしばらく我慢できそう。

2013年6月3日月曜日

株 始めました

転職やら身内の不幸やら、株の塩漬けやらでお休みしていましたが、再開。
今回の考え方は以下の通り。
1.明日株価が上がるのか、下がるのか占うのは不可能。
2.どの株が上がり、どの株が下がるのか、分かりません。
3.購入価格基準で、10%上がったら売る。10%下がったら買いたす。更に10%下がったら・・・もう買うお金がないので休む、ということにする。
4.とりあえず、以下の3つを1単位株づつ買ってみることにした。それぞれ20万円くらい。
  伊藤忠商事
  川崎汽船
  NTTドコモ

1単位しか買わないのはお金がないのと、銘柄に執着しないという方針のため。

5.売買は夜に価格をみて基準に達していたら、翌朝に成り行き。毎日見るのは面倒なので、あきたら週一くらいになるかも。
こんな感じ。

本当は5%くらいの上下で売買してみたいが、税と手数料を考えると、どうしようかな、というところ。
買うときの手数料 取引額の0.3%
売るときの手数料     0.3%
課税(5%ゲインで)   1 %
消費税          0.03%
トータルコスト      1.63%
これであっているかな。


2013年6月2日日曜日

岩松了の不道徳教室

横浜のKAATで。
ひんぱんに場面転換するお芝居なのですが、舞台装置がよく出来ています。お話は教師と教え子の痴情のもつれや友情の裏切りや大人の男のずるさやら。何の救いもありませんがラストは幻想的でふわりと持って行かれます。
先生の秘密に近づく風俗嬢役の黒川芽以さんはすごい美人で客席通路を歩く場面では少し怖いくらいでした。
あと先生に横恋慕するチャコを演じた趣里さんがとにかく可愛らしい。女子高生親友トリオのやりとりもとてもよかったのですが、こういう雰囲気は日本特有なのかも。
時々いるはずもないひとが見えて話をしているうちにいないと気づく、というコミカルなシーンが、殺したはずの恋人の幻影を見つめるまなざしと重なるところがよくて、笑いをとる場面が作品を構成する骨格になっているのはさすがです。

2013年5月26日日曜日

田中秀臣の経済思想史塾を見ました。

「これが本当の比較優位だ!」の回での疑問。司会者が比較優位は理論的な仮構で現実に適用できるとはリカード本人も考えていない、と何度も言っていたがこれはどういう意味なのか?

理論上完全な分業が効率的であっても現実に実行するのは難しい。
そもそもリカードは国単位で比較優位を構想していたのだろうか。自由貿易上の完全分業という事態を比較優位論から導き出すこと事態に疑問をもつ。

リカードの最大多数の最大幸福という功利論の背景には個人の幸せを守ろうとする気持ちがあると田中先生は強調している。もし個人という単位を守られないなら最大幸福という考えそのものが破綻してしまうからだ。例えば、先生が家でTVを見るのを我慢して学校で講義をするとき、学生が替わりにTVを見てあげても意味がない。
だれも他人に替わって快や不快を享受することはできない。この前提がないと最大多数の最大幸福という理論は意味を持たない。

同様に比較優位も基本は一個人にあり、個人の選択の総和として国全体の経済の姿があると考えるのが自然だと思う。そうであれば一足飛びの完全分業など考える想定する必要はないように思う。

これが本当の比較優位だ!1   

2013年5月25日土曜日

ニコニコ動画で電脳戦2.0見ました

オンデマンドでまとめて見たのですが楽しかった。ニコニコは未来のTVですね。
テレビでは扱えないニッチな事柄
視聴者全員で楽しめる一体感
ライブでも見学できる
オンデマンドで鑑賞してもそれなりに熱気を楽しめる
マイナー競技中継にもむいていると思います。

昔、マイクロという雑誌で8ビットパソコンを使った平手や詰め将棋ソフトの制作記事がありました。当時と比べると隔世の感。個人レベルのPC資産でプロの本気に負けない時代がくるとは当時は想像できませんでした。
もっとも東大のPCクラスターは、国の持ち物なので別格ですが。

棋譜の印象としては、終盤優勢でもきちんと寄るのは難しいということ。コンピュータの粘りに、教えられたと谷川名人がおっしゃっていましたが、人間なら形作りに入るところから、さらにももう1局成立させられては見ているだけでも疲れます。
またコンピュータの無理攻めにも思える仕掛けを、棋士が咎めることができず入玉模様にした点については正解を教えてもらいたいところ。

いつかルールから必勝法を演繹できるようになるのだろうか、ふと思いました。

2013年5月19日日曜日

ジャン・マリー ストローブ短編映画バージョン比較特集 渋谷UPLINX

『ある相続人』 森の小径を二人で歩く。ビールを飲みながら自慢話。森の中で作文を朗読。以上。これのバージョン違いを続けてみて2つ比較。後の方がテンポがよい印象。2回目だからかも。朗読のカットでは後のほうが少し間をとって演出している感じ。
バレスというひとの「東方の砦」という作品を下敷きにしているそうです。
アルザス地方のドイツ占領がテーマで、見ながらドーテの最後の授業を思い出した。
いまはフランスという一つのくくりですが、もともとは別の地域らしい。そんなことを言ったらイギリスもフランスの一部になる分だが、このあたりの感覚は日本人には馴染みがないのではないか。国って何だろうとふと思う。

『ジャッカルとアラブ人』原作フランツ・カフカだそうですが、この話は知らなかった。バージョン違い見ても分からなかった。間違い探し?


『慰めようのない者』ギリシャ神話で、プルートにさらわれた妻を連れ戻しに黄泉に降りて行く話、日本にもおなじような神話があった。奥さんを連れ戻すのに失敗した旦那が当時を振り返る対話。バージョン比較では後の方が分かり易い印象だが、たんに2回目だからなのかも。
今解説を読んだら、対話の相手はこの旦那をあとで八つ裂きにするのだそうです。

『母』 ぶどう畑?で老人と夫人の対話。これはバージョン違いが3つ。3つめが一番分かり易いのは3回目だから?既に死んだ?おじいさんが自分を殺した母親へのうらみと奥さんとの初夜?の思い出を語る。「じゃあ何故殺した?!」と叫ぶおじいさんに、夫人が「では何故生んだと聞いてごらんなさい。」と答えるラストシーンが印象的。この映画は好き。
『母』より
解説によると、『慰めようのない者』と『母』はともにイタリアの詩人パヴェーゼの『レウコとの対話』を下敷きにしているらしい。レウコってだれ?岩波書店の『パヴェーゼ文学集成(6)』の『異神との対話』という邦訳があるそうです。これは読みたい。

『コルネイユ=ブレヒト』 コルネイユはブレヒトである、という映画なのかと思ったが、コルネイユを暗唱したあとブレヒトを読むだけ。これもバージョン3つあるが、セットで1作品ということになっているらしい。
集中力がきれ、ぼーっとしたが3番目が一番分かり易い。反戦っぽい台詞があってこれがブレヒトらしいのかな、と思った。
解説ではコルネイユの『オーラス』と『オトン』という悲劇を読んでいるとのこと。『オトン』は邦訳がないようだが、あらすじを解説してくれている論文が検索できた。それによるとタキトゥスの『同時代記』にほぼ忠実にしたがった古代ローマの政変を題材にした恋愛悲劇のようだ。主人公のオトンが終始受け身で活躍しないので一般には出来が悪いということになっているそう。しかしそのあだち充の描く恋愛漫画の主人公のように何も事件を起こさない的なところが逆に今日的。またチェーホフにも通じると思う。読んでみたいけど、だれか訳してくれないのかな。
第4巻 岩渕氏は2013年2月に逝去・・・合掌
ブレヒトのテキストは『ルクルスの審問』というラジオ劇だそう。ふつうに面白いが1番目のバージョンでは何が何やら分からんかった。これの翻訳は『ブレヒト戯曲全集』第4巻で読める。埴谷雄高の『死霊』を見ながら連想した。死霊はテレビで埴谷の特集を見ただけで読んでないですが。『死霊』は亡くなった祖父の本棚にあったのをもらおうと思っていたがいつの間にか片付けれてしまいました。





2013年5月6日月曜日

箱根のパン屋さん 麦師

小田原から箱根湯本に向かう途中のパン屋さん、麦師。湘南小麦というものにこだわっているそうだ。
さっくりした食感がよい。東京駅のパン屋もよかったが、この日はサイクリングでお腹がすいていて、さらに天気も気持ちよかったので美味しさ2割増だ。
是非また立ち寄りたい。

そういえば昔成瀬にあったパン屋さんは、粉の味を超えて大地の味がするパンを作りたいと言っていた。パン業界にはそういう職人気質のひとが多いのかしら。
例えば寿司屋で海の味に表現したい、というようなところはないよね。

2013年5月4日土曜日

ラ・フォル・ジュルネ 2013 自宅にて

有楽町の国際展示場あたりで毎年行われているクラシックコンサートのイベント。
実はNHKFMでも中継されていて、自宅で酒を飲みながら楽しめます。
実際に手ぶらで有楽町辺りにいても、なかなかチケットが買えなかったりするので、自宅でラジオには合理性がある。
ところで国際展示場はハイエンドオーディオ展の会場でもある。
コンサート会場付近でFM放送をハイエンドオーディオで楽しめれば、普段オーディオに興味が薄い人達にもアピールできるのではないだろうか。
お茶をしたり、食事をしながら演奏を楽しめれば最高だろう。
普通にレストランで有線の変わりに流してくれるだけで十分かもしれない。

地理的には日比谷公園でビア&クラシックがいい感じ、と思う。
ラジカセやミニコンポから興味が移るだけで世界は広がる。・・・といいつつ今中継をボーズのラジカセで聞いております。

反省 箱根攻め

箱根湯本から彫刻美術館に向かったが、宮下の手前でタイムアウト。引き返しました。
初めて実際に走ってみた感想としては、この坂を登れないのは自分のスタミナ不足、と言うこと。
決して伊豆山のような、物理的に無理!という坂ではなかった。
先まで行っていないのでなんとも言えないが、このためにわざわざ自転車を1台仕立てるのはいかにも大仰。
ただ、自分のモールトンは進まず、登れず、というレベルにあると感じつつあり、ここは直したい。シングルでは自分の体力の限界かな。


2013年5月3日金曜日

箱根対策自転車を考える

藤沢からだと熱海まで私の足でも4時間くらい。思ったより近く、ルートを選べば坂もきつくないのでもっと遊びたいと欲がでた。

小径シングルギア車のメリットは、街中での軽快さと輪行時の扱い易さ。あと速く走るときは頑張って回すというシンプルな作法が魅力だ。
デメリットは激坂への対応が厳しいこと。そのうちもっと重いギアを踏めるようになる、速く足が回せるようになると思いながら10年経ったが体型はよりおデブになり、体力は加齢とともに減退する一方だ。坂は押せばいいのだが、やはり乗ってクリアしたい。

というわけで、伊豆山の坂を降りずに登ること、箱根の峠を押さずに行ったり来たりできること。で、いつかはブルベに参加したい。これを私自身の努力ではなく自転車の力に頼って実現したい、と物欲した。

もともと小径車は登坂に有利なので、これを変速機仕様にするのもあり。しかし長年シングルで通して来た美学もあるので、折衷案としてリアホイールの左側に登坂用のギアをつけて上り坂では裏返して使うなんてどうだろうと考えている。この辺りは自転車屋さんと相談だ。

ところで普通の自転車をもう一個仕立てるというアイデアも捨て難い。
で、以下の3機種が良いかなと思った。どれもロードバイクではなくシクロクロス。その理由は、以下の6つ。

1.オーソドックスな落ち着いたデザイン。心が和みます。
2.ロードバイクに比べアップライトなポジションでたぶん疲れたとき楽。
3.最近のロードバイクに比べホイールベースが長く直進安定性に優れていそう。たぶん疲れたとき楽。
4.ロードバイクに比べ丈夫そう。転んでも大丈夫。
5.ロードバイクに比べて安い。
6.非力なので高次元のフレーム性能は関係ないかなと思った。差額でよいホイールを買おう。


MASI のスチールバイク 8万円くらい

BHのカーボンバイク 20万円くらい

リドレーのカーボンバイク 20万円くらい

2013年4月22日月曜日

トリスターノの遠足

フランチェスコ・トリスターノの「LONG WALK」。一曲目から音がすごい。チェンバロですか?というような音色。
ピアノはYAMAHAのCFXという型だそうだ。
ちょっとグールドを連想する音だがYAMAHAつながりかも知れない。
写真はヤマハのHPのピアニストラウンジというところから、ロングウオークの録音風景。
トリスターノのインタヴューも充実していて必見です。

2013年4月21日日曜日

フランチェスコ・トリスターノ

NHKFMで今若手で最もテクニックに優れたピアニストと紹介されて興味を持ちました。
HMVで検索するとまるでテクノ畑のひとのようですが、一応HMVでもクラシック 曲のCDも扱っています。
以前には勅使河原三郎との共演をしたこともあるそうで、なかなかクロスオーバー(死語)な活動をするピアニストのようです。
マニアックなひとで、『バッハケージ』ではバッハ→ジョンケージ→バッハ→ジョンケージ→自作の曲→バッハという構成。『ロングウオーク』ではブクステフーデ→バッハ→自作の曲→バッハ→自作の曲としています。
クラシック盤で自分の作曲を交えるピアニストはかなり珍しいのではないでしょうか?
というか、他に知りません。実際に聞いてみるとかなり頭良さそうな印象です。
このひとはショパンなんかは弾かないんだろうなあと思いますが、もし取り組んでくれたらかなりぶっ飛んだショパンを演奏してくれそう。

『天使の分け前』 ケンローチ

閉館が決まった銀座テアトルまで昨日行きました。今日も寒いですね、長野では雪とか。
ハイランドのど田舎で発見された失われた醸造所の幻のウイスキー。これがオークションにかけられると知り、窃盗計画を練り始める。はたして首尾よく酒を盗むことはできるのか?というミッションインポシブルもの。
ハリウッドならエンターテイメントとして楽しめるストーリーですが、社会派バイアスの高いケンローチブランドとしては違和感を覚えるひともいるかも知れません。しかし初期には牧師がヤクザを暗殺するというお話も撮っていますから、ケンローチ自身はこういうのは好きそうです。

この映画のポイントは盗んだ分だけ、ハイランドモルトを混ぜて量をごまかすというトリックなのですが、これを味も分からない金持ちが何も知らずにありがたがって高い金を払うのを見て痛快と思うか、道徳的にあり得ないと捉えるかに見方が分かれそうです。
私も少々ショックでしたが、このビンテージモルトの出自自体、密かに醸造所どうして樽を交換していたということに由来しており、蔵元自体がブレントしたものをシングルモルトと称して出荷することはままあったことではないかと想像しました。

道徳問題としては手切れ金を受け取って妻子との縁を切るか、盗みで得た金で再出発するかの二択で、カントなら妻子と別れるを選ぶでしょうが、私は映画のとおりでOK。
高価なウイスキーを台無しにしたことについては残念ですが、甲子園で松井選手を4連続四球にしたのと同様この点については中途半端なことはせず、抜け漏れのないよう徹底したということでしょう。妻子のことを考えれば、犯行がばれて捕まるくらいならするべきではないのでやむを得ないと捉えます。

映画で主人公とウイスキーの出会いとなったのはスプリングバンク32年もの。4万円くらいだそうです。ちなみに1919年のが100万円だった。
将来醸造家として大成した主人公が自分の過去の犯罪をどう思うのか聞ききたいですね。

2013年4月18日木曜日

藤沢に広がるお見送り症候群

藤沢ミシュラン星レストラン、幸庵の特長はお見送り。
食後、お客が駅前のコーナーを曲がり見えなくなるまで仲居さんやら板前さんが見送ってくれます。
関心していたのは私だけではないようで、幸庵の向かいのお店もお見送りを始めたようです。
お見送りはお客としては素直に嬉しいことなので、流行りそう。
おイキなさい!

2013年4月15日月曜日

ハモンハモン 悲劇的

DVDで見ました。ハモンハモン、ペネロペの青姦に意識が向きがちですがストーリーも親子二代ののろわれた愛欲がぐちょんぐちょんの変態で素晴らしいです。
もう一人の主人公は男性下着メーカーの社長夫人。溺愛する息子の恋人が夫の元情婦の娘。腹違いの兄妹の結婚を阻止しようとするも、ペネロペを誘惑させた色師がそのピュアな毒牙にかかりすっかり骨抜き。逆に嫉妬にかられてミイラがミイラ取り。最期に息子がその愛人と決闘して死んでしまう。夫には私たちの息子にお前は何をしたのだと問いつめられて・・・
ギリシャ悲劇的な様相を露にして終わるこの映画は、ペネロペクロスのデビュー作で恋人役の男性とはのちにリアルに結婚し子供をもうけるとまさに運命的。可愛い顔して案外純情だったのか、ペネロペ。柔らかいおっぱいと道ばたで、ゲームセンターでと場所を選ばないプレイが必見。

ソイレントグリーンな世界

食肉の禁忌は宗教レベルのものもあれば地域の文化習慣レベルのもの、個人の好き嫌いまで含めればいくつあるのか、とりあえず多様としておく。
その最大のものは人肉だが、ガリバー旅行記で人間よりも理性的な動物として描いた英国では馬肉がそれに準じるらしい。その辺りの気持ちの入り方の根源がどこにあるのかはよくわからない。乗馬の国だからという説明を聞くが、身近さ親密さは食べる理由にも食べられない理由にもなり得るからだ。
DNA検査で馬肉がごく微量混入していることが判明して騒動に。

日本では加工食品の内容表示について新しい法律ができるそうだ。
そのうち「このコンビーフ(牛100%)は馬肉加工食品と共通ラインで製造されています。」というような表示がされるようになるだろう。

2013年4月14日日曜日

老眼鏡買いました

横浜駅の眼鏡屋さんで。
申し上げにくいのですが、という前置きのあと。
要するに老眼が入っていて、遠くも見えないだろうが手元も見えづらいはず、と。
というわけで、もう一個遠近両用眼鏡を作った。
たぶんこれ。
今回近視の度は弱めにしたのでそのうちクルマの運転にさらに一個作るだろう。
ところでこのフレーム、DUTZというオランダのブランドで「まぬけ」という意味らしい。

PTAの THE MASTER

ポールトーマスアンダーソンの『ザ・マスター』
開始直後睡魔と戦いもうろうとしていたことを差し引いても、観客を選ぶ分かりづらい映画だと思う。
まず彼がなぜこの映画を撮ったのかわかりづらい。そしてさらに何故この映画をひとに見せようと思ったのかわかりづらい。
取り柄の映像は手堅く外連味のない上品とも、見所がないとも言えるもの。
気違い二人の共依存とそこからの解放を通じてひとの成熟をラスト数分で描いているが、そもそも主人公ふたりが度外れた気違いなので共感しづらい。
ひとつ思ったのは、仏教徒とクリスチャンとで前世の受け止め方が違うのかな、ということ。仏教徒にとって前世と現世ではそれぞれ人間関係、環境にあるという点であくまで断絶したもの。しかしこの映画では前世はあくまでもうひとつの人生で、個人の人格において現世とパラレルに生きられる世界として捉えられている。
社会の網目として自己を捉える東洋思想と個人の人格を中心に置く西洋思想の対比、といい加減にまとめてもいいでしょうか。

2013年4月11日木曜日

終わった人生を生きる 悪の華(7)

007は二度死ぬ、という映画があったが、二度目の人生とはこんなものか、と驚愕の『悪の華』第7巻。終わったはずの人生にその後があるとしたら、それこそが死後の世界だ。
山の向こう側へ飛翔できるはずの翼を捨てて、ベルリンの天使は再び地上に降りることができるのか?
偽造された団らん、うわべだけの友情、芸術への憧憬、衝動、そんなこんなで、悪の華は (ベルリン天使)×(トゥルーマンショー)→「大いなる遺産」になりそうな予感。

2013年4月8日月曜日

ライプニッツは中世のひと?

中公新書のライプニッツをなんとか読了。
ライプニッツは微積分を発明し、ニュートンとパテントを争ったことで有名。
ほかにもアカデミーを構想したり、外交官として働いたり、とそのマルチぶりは哲学史上随一だ。しかし一見華やかな経歴の持ち主だが、実際には何事も思い通りにいかず、不遇な人生を送ったそうだ。
彼の著書を読んで感じたのは、発想がスコラ的ということ。ほぼ同時代のデカルトもベースはスコラ哲学なんだろうが、ライプニッツはそこがさらにあからさまだ。アリストテレス直結、という感じがする。
それで、そんなひとが微積分を発明した、というところに興味をもった。

ライバルのニュートンはこの辺りどうなんだろう。彼も錬金術師だったくらいなので、現代の物理学者とはやや発想が異なるのだろうか、などと空想する。

公務員 足りているのか?

復興が進まない理由の一つに職員不足が挙げられている。経験と専門知識のある職員がもと現場に必要とのこと。優秀な人材の育成は一朝一夕にはできないが、人材が揃うまで待つ訳にもいかない。
全国公務員、民間から人材を募り、異動させることが必要。そのためには将来を担う人材を全国で多数採用し、ローテーションを円滑に行わせることが肝要だ。新人3人採用でベテランエース1名を復興職員に充てる。

公務員削減が安易に叫ばれているが、減らすのは国会議員くらいでいい。特に国会質問がだめな議員はあらゆる意味で無駄。個人的には質問相手におべんちゃら言う奴が大嫌いです。下手な漫談を聞いているようでムカムカしました。(民主党政権時代ね。)

公務員はとりあえず平均賃金を民間水準にあわせて(イメージとしては賃金を下げて)、どんどん数を現場に送り込べきだ。とくに大卒で就職できないようなひとは臨時でも仮でもなんでもいいから採用して、勉強させながら実務させるといいと思う。

ラカンの精神分析

新宮一成の「ラカンの精神分析」。もう絶版と思い込んでいたが、新装版が普通にアマゾンで売っている。20年程前に読んで、ずっと棚に置きっぱなしだったが、処分するためにもう一度読んでみた。
対象aは黄金数である、ということを反復しているだけの内容だが、鏡像理論の意義が分かるだけで十分存在価値がある。

自分では見ることのできない、他人から見た自分を自分自身として受け入れること。そこに語る主体としての自己の裂け目を見いだすこと。
そして合理性の中に道徳律が埋め込まれているように見えるとすれば、(ルジャンドルに敷衍して、)それはローマ=キリスト教の枠組みでの正当性が背後にあること。
白熱教室式の決議論を相対化する手がかりにしたいと思っています。

この新書はおすすめではありますが、一方で何か深遠なものに触れているという気分だけが濃厚、というのが二度目に読んだ率直な感想です。
左が自分の持っている版の表紙。

西洋をエンジンテストする

最近停滞ぎみなドグマ人類学会ですが、ルジャンドルの翻訳はちょこちょこ刊行されていて、気づいたときに買っています。
この本は講演録で一見取っ付き易いのですが、実際には他の著書より難解で、まともに読めたのは第3講演だけでした。全体に主題が広大もうろうで、結論もないので読み続けるとっかかりがない。長い間折りに触れて読んで来たが何も理解してなかったなあと思い知りました。
もう難しい本を読むパワーがないので、これからは自分の関心にしたがって気になるところだけ読むようにしたいと思います。

2013年4月6日土曜日

映画の中のイプセン

DVDでみました、『ムッシュカステラの恋』の劇中劇としてイプセンの「ヘッダ・ガーブラー」が上演。
アルノーデプレシャンの「エスターカーン」でも劇中劇として使われていたが、そんなに有名なんだろうか?
拳銃自殺するラストシーンが映画的にインパクトがあってちょうどいいだけなのかもしれないが、だったらチェーホフの「かもめ」でもいいような。
私はイプセンもゾラもごっちゃなのだが、一度芝居を見てみたい。

日本語 ・・・になります、について

ワインオープナーが壊れると、酒が飲めなくなります。
この場合の「なる」は、原因と結果を表す。
よく間違った日本語の例として取り上げられる、食堂での「ご注文の品・・・になります。」も、この注文→品物の因果関係を表現していると今思った。

ワインオープナーの無意識

いままでねじのない二枚刃式のワインオープナーを使っていたのですが、長いコルクがうまく抜けない。古いワインだとコルクがぼろぼろで折れてしまったりする・・・という理由ができたのでソムリエナイフと言うものを買ってみた。
さっそくソムリエナイフとやらの使い方を調べるうちに、なんと私の二枚刃式の使い方が間違ってたらしいことに気づく。
歯をコルクと瓶の間に挿入したあと、左右に180度回転させてから引き抜く、が作法だそうだ。
なぜこの情報に気づかなかったのか、なぜ使い方を確認するという発想が生まれなかったのか?
それは新しいおもちゃをとにかく買ってみたかったから、かもしれない。

ワインオープナーには安いものは500円からあるが、すぐに壊れるのでお勧めしない。これが壊れるとその夜は酒が飲めなくなるので、多少良いものを選ぶのは重要である。
今回選んだのは、シャトーラギオールというメーカーの一番安そうなモデル。柄はオリーブの木で、牛の角など使用していないプレーンな雰囲気が気に入りました。
それにしてもソムリエナイフ、ナイフとしての用途は栓のフィルムをはがすだけ。ついでに缶切りもついてたら便利なのに。

2013年3月31日日曜日

石破氏の街頭演説

映画に行く途中、駅前で石破氏の街頭演説に遭遇。ものものしい警備のなか、携帯で写真撮ったりしました。
石破氏は重要な政策を責任をもって実行するには、衆参のねじれを解消しなければならない、そして勝ったら、社会保障のばらまきを止めて本当に困っているひとのための制度にすると。
気になるのはこれを夏の選挙後に実施とすると回復しつつある景気に水を差すのかあるいは逆に財政再建に道筋をつけたとして国債の低利安定につながると考えるのか、どうなんだろう。

消費税を5%に上げたとき、需要の先食いとその後の買い控えで産業界はダメージを受けた。消費税は景気に影響を与えないと主張するひともいるが、その後景気が回復したから消費税はニュートラルというのは乱暴だと思う。確かに実感とは半径5メートルの世界でしかありませんが、それは新聞、雑誌、テレビ、同僚、社長、出入りの業者、営業さんを含めての5メートルですよ。増税で景気がよくなるというのは政治家と財務省だけではないですか?

石破氏は基本的に財務省よりの経済観を持っているひとだと私は思っている。今はおとなしいが、参院選大勝利後プライマリーバランスにとらわれるあまりインフレターゲットを放棄させるようにならないか心配だ。

2013年3月30日土曜日

愛、アムール 



ひとの悪意を扱う天才ハネケですが、これは愛情ある優しい映画でした。
部屋に迷い込んだ鳩を捕まえるシーンがとてもよい。そして「鳩を逃がしてあげたんだよ」と、奥さんに手紙で報告するところは、ほのぼのとして、とてもこれから死のうとするひとには見えません。
『ニーチェの馬』や『楢山節考』がまっすぐに絶望を主題とする映画とするなら、この『愛、アムール』はギャスパー・ノエの『アレックス』のような救済を描いた映画だと思います。
『フランダースの犬』には、天国でおじいさんに会えてもちっともハッピーじゃない、と憤った私ですが、この映画では素直によかったなと感じました。

2013年3月27日水曜日

見ておきたい映画のメモ

見に行くぞ!という備忘。
ハネケ 『愛アモール』(上映中)
PTA  『ザ・マスター』(上映中)
?   『汚れなき祈り』(上映中)
?   『最初の人間』(浜松 〜4月12日)
?   『アンナ・カレーニナ』(3月末)
?   『ロイヤル・アフェア』(4月末)
カラックス『ホーリー・モーターズ』(4月)
ケンローチ『天使の分け前』(4月)
ソクーロフ『ファウスト』(大阪 シアターセブン、4月20〜)
よく映画館通っていたころは予告編であたりをつけていたが、すっかりご無沙汰するようになってからは、何を上映しているのかさっぱり分からんようになってしまった。
ついでに映画.comで試しに検索すると、上記のとおりぼろぼろ私にとってのビックネームが出て来た。
上映中の映画は終了間近のようなのでがんばって出かけたい。

2013年3月26日火曜日

磁性流体スピーカーはっけん

ソニーの薄型無線対応アクティブスピーカー SRS−BTX500が気になる。
Mac用のスピーカーにちょうど良い。
無線LANを導入してMacの定位置が変わったら役に立つかも。
磁性流体スピーカーといえばエバニュイを思い出す。今は部屋が狭いのでミューならちょうどいいかなと思いつつ、古いハーベスを手放せない。
紹介記事で、磁性流体をフルレンジスピーカーに適用する際、耐久性に難があるとか。なるほどそうかも知れませんね。

2013年3月24日日曜日

日本舞踊 隅田川

神奈川芸術劇場でブリテンの「カリュー リバー」を隅田川に置き換えて日本舞踊の振り付けをした日本語オペラと日本舞踊の隅田川の二本立てを見ました。
ブリテンのほうは曲も演出も抽象的で、ラストシーンの子供の幽霊を垣間みるところはよかったですが、全体に難しい。私も少し寝てました。

一方、清元の隅田川は日本舞踊なのだそうですが、90分間目が離せない臨場感あるお芝居になっていました。伝統芸能の底力を感じます。
さらわれた子供を捜して旅をしている女性と隅田川の渡し守のダンスバトルもよかったし、亡霊となった子供と再会する場面は迫力ありました。
案外よかったので、また機会を得て別の演目も鑑賞したいと思います。

2013年3月17日日曜日

見ました!フレデリック・ワイズマン 『臨死』

弘前大学医学部の収蔵フィルムで、翻訳にも協力しています。
アテネフランセで14時開始、20時終了。上映6時間、2時間おきに5分間休憩を挟みながらでしたが、飽きずに楽しめました。もっと長くても良いかな、と思える絶妙な長さです。

臨死(near death)体験というと、死後の世界を垣間みた〜というようなお話を連想してしまいますが、これはベス・イスラエル病院の内科集中治療室に取材した終末医療をテーマにしたもの。

見ながら、病院で面会した祖母を思い出してすこしウルっと来ました。周りでも鼻がぐずってくるひとが多かったようで、いつものワイズマン映画なのですが、それぞれ思うところがあったようです。

どこまで治療すべきなのか、患者本人の意志は?という問いを中心に動いているのですが、患者の立場からは「治療のゴールを決めましょう。チューブを入れますか?」という質問の意味をきちんと理解することはとても難しいと感じました。いきなり入院してこう聞かれても、「健康になって普通に生活したい。」としか最初は言えないですよね。質問の前提が余命3ヶ月くらいですが・・・とはっきり共有できればシンプルですが、それは確立の問題で目の前の患者に無条件に当てはめられるものではないという議論もでてきます。そしてそのあいまいな説明が患者や家族に間違った期待を抱かせることがある、とも。

ワイズマン映画には珍しく、ラストシーンでは字幕で入院患者さんのその後に触れています。ピーピー絶え間なく鳴るポケベル?が印象的です。

2013年3月15日金曜日

TPPで考える農業保護

TPPとの関連で考えるなら、日本の資本下で相手国の農業振興を図るのが王道だと思う。
投資を自由化させてジャパンマネーで農地を買収し、荒れ地を開墾して安価で良質な農作物を大量生産するのだ。
さらにアフリカに余剰の農産物を鉱物等の採掘権とバーターで提供する。農産物の値崩れを防ぎつつ地球上から飢餓を無くし、資源確保を図る。ゆくゆくは経済的な自立を促すことにもつながる。
減反なんてやっている場合じゃない。コメを作って、作りすぎるということはないのだ。
私は優れた日本の農業技術を活かし国際貢献と安全保障につなげる道筋を、TPPに見いだしたい。

2013年3月10日日曜日

行ってきました、隅田川花の御所染

半蔵門の国立劇場は初めて。新橋から銀座線に乗り換え有楽町線永田町駅へのアクセスポイントである赤坂見附駅で下車。しかし最寄りの4番出口にはたどり着けず、ええいままよと地上に出ると道に迷い、結局タクシーに連れて来てもらいました。
芝居はとっくに始まっていて席に着いた直後、役者さんが私のすぐ脇の花道を走り去って、幕、休憩。再開したら隣席のお嬢さんはお帰りになられていた。このあたりのフリーダムな感じは歌舞伎ならではでしょうか?

いままで歌舞伎は芸術ではないなどと知ったふうな口をきいてきましたが、実際見ると案外面白いですね!ただしシリアスではありませんので、あまり真剣には捉えられません。
気に入ったのは、クライマックス場面。清玄尼の亡霊が恋人の姿に化けて、本人と並んで舞を披露するところ。そのあでやかさと男の姿で女物の着物を羽織る演出の意味不明さ、にヤラレマシタ。
こういうドッペルゲンガーを「ふたおもて」と呼ぶのだそうです。
舞台芸術というよりテーマパークのノリで一日楽しめればよいと思いました。
終演後、喫茶店も終わっていて余韻を楽しむことも出来ないのはかなり淡白ですね。