2012年1月22日日曜日

人口減は歴史の必然ですか?

思えば子供の頃から、人口爆発で宇宙船地球号は崩壊すると脅されてきました。
今の世代は人工減=地球に優しいと刷り込まれ、少子高齢化はむしろ望ましいと無意識レベルで操作されているようにも思います。

出生率の増加を果たしたフランスに学ぶまでもなく、社会全体で子育てを支援すれば自然と子供は増えて行くものです。
ところが数年前、「オンナは産む機械」という発言が物議をかもし、産めない女性の心情を踏みにじるものと、非難をした人がたくさんいました。

1 人は子供を産み育てる傾向を持っている。
2 子供が減って行くのは、この傾向を阻害する要因が外部にあるから。
3 これを取り除けば、自然と出生率は増加に転ずる。
これを短く言えば、オンナは産む機械、となります。
当時わざとこれを曲解して難癖を付けていたひとたちは、きっと今では「これからは心の豊かさの時代」と吹聴しているのではないかと思っております。

社会保障税のへ疑問

消費税を増税して社会保障の財源にしようとする考えに疑問。
もともと年金は保険料を納付して拠出に応じて給付をうける仕組みで、この仕組みを維持するために莫大なコストをかけています。
もし税金を財源にするなら、社会保険の維持管理システムそのものを簡素化、廃止しないと屋根に屋根をかける(ことわざで何といいましたっけ)ことになります。
一方、本来消費税は逆進性の高い税制であり、これを社会保障の財源にすることは貧民から富裕層への所得移転を行うように見えます。これは給付で調整すればいいのかな。
少なくても保険制度と課税制度を併用するのは仕組みとして問題があるでしょう。

数年前には100年安心といわれた年金制度ですが、あっという間に崩壊寸前だそうで、なんでこうなってしまったのか。

このまま経済成長を放棄し、心の豊かさを志向していくなら日本は清貧化し、平均余命も徐々に低下して高齢化社会も昔話になるでしょう。100年後には日本の人口も4000万人程度になるとか。これはちょうど100年前と同じ水準だそうです。
(欧米人から見ての、)美しい国日本への回帰です。

読みました、the Economist 日本貿易収支赤字転落

http://jbpress.ismedia.jp/category/economist

1月19日 The Economistのコラム。
貿易収支の赤字の要因は輸出の縮小と燃料費の増加であり、内需の拡大ではないと指摘しながら、国債金利の増加リスクを避けるために増税と緊縮財政が不可欠と主張しています。
これはおかしいでしょ。この状況で増税、財政再建を実施したら、円高加速、GDPも下がってさらに税収も減少するのでは?

また輸出減を補うために構造改革で国内支出を増やせとも主張していますが、これは要するに大きな政府という構想ですよね。であれば、財政支出を支えるためにも健全な経済成長が前提になるはず。構造改革=なにか新しい経済秩序?という図式は空論だと思います。

このコラムによると、2009年までは異常な円安が日本の輸出を支えていたそうですが、その原因が海外投資家の円キャリーという説明はよくわかりませんでした。
金利の安い円を借りて高利の通貨で儲けるなら、円の需要が増えて円高になる・・・のではないのですね。経済学は難しいなあ。それにしても異常な円安とはひどい言われようです。

2012年1月18日水曜日

減塩食で気づく、

ちまたのお弁当、お惣菜は味濃すぎ!口の中が塩気で脱水症状起こします。

病院で減塩食を食べて驚いたのは、野菜が少ないということ。ふだんの三分の一以下。もっと野菜を摂らないとだめだろうと思ったが、逆にこれだけでいいのかと思うとかなり気楽だ。
あと、みそ汁がしょっぱいね。おみおつけともいうが、漬け物の一種なのか?

食事指導で減塩食を習っても、毎食作るのは大変。お惣菜で一品追加したいときもある。選択肢として減塩弁当があってもいい。


2012年1月17日火曜日

読みました、「ハーモニー」


伊藤計画さんのハーモニー。
小説を読むのは苦手で最初は入りづらかったのですが、解説を読んで内容を把握してからは、さくさく読めました。
わたしの場合、答えを教えてもらわないと問題を理解できないみたい。

話の筋はどうでもいいのですが、人工進化計画のビジョンが分かりやすく具体的に考えられているのが素晴らしかった。
エヴァンゲリオンの人工進化も自我の葛藤のない世界、だったので、ディストピアとしてはありふれたイメージなのかもしれませんが、雰囲気だけのエヴァに対して具体的に記述してそれなりに説得力があるのが魅力。
合掌。

2012年1月9日月曜日

読みました、『失恋ショコラティエ』

3巻から読んで、2、1とさかのぼり、4巻に。
はじめて読んだとき、3巻の「わたしだって共犯なんだよ。自分だけ幸せになんかなれない」(記憶で書いております。)というまつりの台詞にこの作者天才だなあと感嘆。1巻まで読んだら案外普通だったのですが、その分安心して楽しめます。

4巻はヒロイン紗絵子がその悪魔性を開花させています。
男を繰る魔法を使う紗絵子が、主婦としてプロに徹する=旦那のお守りをする、そのたびに彼女のジュエルを曇らせていきます。しかし彼女の悪意は、彼女の天使性の所以でもあるのです。読み終わって、イノセントな天使が悪を知ることを通して自分の本来性に至る、ということについて少し考えました。
颯太の成長は、チョコレート作りを通して紗絵子への片恋からより多くの人にチョコレートに込めた想いを届けることへと、外に開かれたベクトルを持っています。
一方紗絵子は恵まれた経済環境から自分自身の本当の欲望を内省するという内向きのベクトルにあります。作者が紗絵子にどのような運命を与え得ると考えているのか、凡人である私には想像もできませんが、楽しみにしたいと思います。

朝日新聞の「前原VS枝野」について

今朝、朝日新聞で前原VS枝野の記事を読みました。
経済成長を志向し、財政再建のため社会保障の削減を必須とする前原氏と、ゼロ成長を前提とした上で、高福祉による雇用の実現をうたう枝野氏との対立という図式です。
私が思うに・・・
枝野氏の主張は要するに公務員を増やすということです。こういうことを日本のギリシャ化というのではないですかね。これまで民営化を進めて来た政策とも整合しないと思います。
前原氏は経済成長を必須の課題としながらも国債金利の上昇を懸念するあまり、当面の景気回復を阻害している急激な円高を容認していることに矛盾があります。

朝日新聞は経済成長はあり得ない夢物語という談話を引用して、枝野氏に好意的なニュアンスを演出し、今後の日本社会のあり方を論じた上での増税論を期待すると結んでいます。しかし当面の問題は今後の日本の社会のあり方(社会保障政策)ではありません。そもそもマイナス成長社会、心の豊かさの時代という奇妙な「時代の気分」がこの議論を歪めています。そしてこのような記事がその片棒を担いでいるのです。民主党内の情況をコンパクトにまとめてくれて分かりやすかったのですが、100害ありというべきでしょう。

心の幸せについて

命に関わる大病を患うと、今までの価値観ががらっと変わる場合があります。
人生の欲がささいなことに思え、今生きていることのありがたみ、家族、友情の大切さなどを強く感じられるのです。ささやかだからこそ大切なことがある、そういう実感です。

一般に命を脅かされるような情況では、人は生きる実感を容易に得られるものです。戦後の焼け野原での奮闘したことを人は生き生きと語ります。その一方、物質的に満たされた社会では生きる意味を見いだせないと思いがちになります。
日々を生きることが大きな目的になる場合には、生きているだけで大きな達成感があるのです。

功利主義者と呼ばれる人は、より大きな満足が得られる貧しい情況をより望ましいと考えるのだそうです。(ホントですか・・・?)
今後のマイナス成長社会を視野におき、心の豊かさの指標を作り推進する日本政府が、この功利主義の立場に立っていることは間違いありません。社会全体の貧困化が進めば進む程、容易に指数が上がる心の幸福度は無為の政府にとって、とても便利なものですから。そのうち不幸な富裕層のための幸福度向上政策の立案とその実現に向けての財源確保を課題とするのは想像に難くありません。