2013年4月22日月曜日

トリスターノの遠足

フランチェスコ・トリスターノの「LONG WALK」。一曲目から音がすごい。チェンバロですか?というような音色。
ピアノはYAMAHAのCFXという型だそうだ。
ちょっとグールドを連想する音だがYAMAHAつながりかも知れない。
写真はヤマハのHPのピアニストラウンジというところから、ロングウオークの録音風景。
トリスターノのインタヴューも充実していて必見です。

2013年4月21日日曜日

フランチェスコ・トリスターノ

NHKFMで今若手で最もテクニックに優れたピアニストと紹介されて興味を持ちました。
HMVで検索するとまるでテクノ畑のひとのようですが、一応HMVでもクラシック 曲のCDも扱っています。
以前には勅使河原三郎との共演をしたこともあるそうで、なかなかクロスオーバー(死語)な活動をするピアニストのようです。
マニアックなひとで、『バッハケージ』ではバッハ→ジョンケージ→バッハ→ジョンケージ→自作の曲→バッハという構成。『ロングウオーク』ではブクステフーデ→バッハ→自作の曲→バッハ→自作の曲としています。
クラシック盤で自分の作曲を交えるピアニストはかなり珍しいのではないでしょうか?
というか、他に知りません。実際に聞いてみるとかなり頭良さそうな印象です。
このひとはショパンなんかは弾かないんだろうなあと思いますが、もし取り組んでくれたらかなりぶっ飛んだショパンを演奏してくれそう。

『天使の分け前』 ケンローチ

閉館が決まった銀座テアトルまで昨日行きました。今日も寒いですね、長野では雪とか。
ハイランドのど田舎で発見された失われた醸造所の幻のウイスキー。これがオークションにかけられると知り、窃盗計画を練り始める。はたして首尾よく酒を盗むことはできるのか?というミッションインポシブルもの。
ハリウッドならエンターテイメントとして楽しめるストーリーですが、社会派バイアスの高いケンローチブランドとしては違和感を覚えるひともいるかも知れません。しかし初期には牧師がヤクザを暗殺するというお話も撮っていますから、ケンローチ自身はこういうのは好きそうです。

この映画のポイントは盗んだ分だけ、ハイランドモルトを混ぜて量をごまかすというトリックなのですが、これを味も分からない金持ちが何も知らずにありがたがって高い金を払うのを見て痛快と思うか、道徳的にあり得ないと捉えるかに見方が分かれそうです。
私も少々ショックでしたが、このビンテージモルトの出自自体、密かに醸造所どうして樽を交換していたということに由来しており、蔵元自体がブレントしたものをシングルモルトと称して出荷することはままあったことではないかと想像しました。

道徳問題としては手切れ金を受け取って妻子との縁を切るか、盗みで得た金で再出発するかの二択で、カントなら妻子と別れるを選ぶでしょうが、私は映画のとおりでOK。
高価なウイスキーを台無しにしたことについては残念ですが、甲子園で松井選手を4連続四球にしたのと同様この点については中途半端なことはせず、抜け漏れのないよう徹底したということでしょう。妻子のことを考えれば、犯行がばれて捕まるくらいならするべきではないのでやむを得ないと捉えます。

映画で主人公とウイスキーの出会いとなったのはスプリングバンク32年もの。4万円くらいだそうです。ちなみに1919年のが100万円だった。
将来醸造家として大成した主人公が自分の過去の犯罪をどう思うのか聞ききたいですね。

2013年4月18日木曜日

藤沢に広がるお見送り症候群

藤沢ミシュラン星レストラン、幸庵の特長はお見送り。
食後、お客が駅前のコーナーを曲がり見えなくなるまで仲居さんやら板前さんが見送ってくれます。
関心していたのは私だけではないようで、幸庵の向かいのお店もお見送りを始めたようです。
お見送りはお客としては素直に嬉しいことなので、流行りそう。
おイキなさい!

2013年4月15日月曜日

ハモンハモン 悲劇的

DVDで見ました。ハモンハモン、ペネロペの青姦に意識が向きがちですがストーリーも親子二代ののろわれた愛欲がぐちょんぐちょんの変態で素晴らしいです。
もう一人の主人公は男性下着メーカーの社長夫人。溺愛する息子の恋人が夫の元情婦の娘。腹違いの兄妹の結婚を阻止しようとするも、ペネロペを誘惑させた色師がそのピュアな毒牙にかかりすっかり骨抜き。逆に嫉妬にかられてミイラがミイラ取り。最期に息子がその愛人と決闘して死んでしまう。夫には私たちの息子にお前は何をしたのだと問いつめられて・・・
ギリシャ悲劇的な様相を露にして終わるこの映画は、ペネロペクロスのデビュー作で恋人役の男性とはのちにリアルに結婚し子供をもうけるとまさに運命的。可愛い顔して案外純情だったのか、ペネロペ。柔らかいおっぱいと道ばたで、ゲームセンターでと場所を選ばないプレイが必見。

ソイレントグリーンな世界

食肉の禁忌は宗教レベルのものもあれば地域の文化習慣レベルのもの、個人の好き嫌いまで含めればいくつあるのか、とりあえず多様としておく。
その最大のものは人肉だが、ガリバー旅行記で人間よりも理性的な動物として描いた英国では馬肉がそれに準じるらしい。その辺りの気持ちの入り方の根源がどこにあるのかはよくわからない。乗馬の国だからという説明を聞くが、身近さ親密さは食べる理由にも食べられない理由にもなり得るからだ。
DNA検査で馬肉がごく微量混入していることが判明して騒動に。

日本では加工食品の内容表示について新しい法律ができるそうだ。
そのうち「このコンビーフ(牛100%)は馬肉加工食品と共通ラインで製造されています。」というような表示がされるようになるだろう。

2013年4月14日日曜日

老眼鏡買いました

横浜駅の眼鏡屋さんで。
申し上げにくいのですが、という前置きのあと。
要するに老眼が入っていて、遠くも見えないだろうが手元も見えづらいはず、と。
というわけで、もう一個遠近両用眼鏡を作った。
たぶんこれ。
今回近視の度は弱めにしたのでそのうちクルマの運転にさらに一個作るだろう。
ところでこのフレーム、DUTZというオランダのブランドで「まぬけ」という意味らしい。

PTAの THE MASTER

ポールトーマスアンダーソンの『ザ・マスター』
開始直後睡魔と戦いもうろうとしていたことを差し引いても、観客を選ぶ分かりづらい映画だと思う。
まず彼がなぜこの映画を撮ったのかわかりづらい。そしてさらに何故この映画をひとに見せようと思ったのかわかりづらい。
取り柄の映像は手堅く外連味のない上品とも、見所がないとも言えるもの。
気違い二人の共依存とそこからの解放を通じてひとの成熟をラスト数分で描いているが、そもそも主人公ふたりが度外れた気違いなので共感しづらい。
ひとつ思ったのは、仏教徒とクリスチャンとで前世の受け止め方が違うのかな、ということ。仏教徒にとって前世と現世ではそれぞれ人間関係、環境にあるという点であくまで断絶したもの。しかしこの映画では前世はあくまでもうひとつの人生で、個人の人格において現世とパラレルに生きられる世界として捉えられている。
社会の網目として自己を捉える東洋思想と個人の人格を中心に置く西洋思想の対比、といい加減にまとめてもいいでしょうか。

2013年4月11日木曜日

終わった人生を生きる 悪の華(7)

007は二度死ぬ、という映画があったが、二度目の人生とはこんなものか、と驚愕の『悪の華』第7巻。終わったはずの人生にその後があるとしたら、それこそが死後の世界だ。
山の向こう側へ飛翔できるはずの翼を捨てて、ベルリンの天使は再び地上に降りることができるのか?
偽造された団らん、うわべだけの友情、芸術への憧憬、衝動、そんなこんなで、悪の華は (ベルリン天使)×(トゥルーマンショー)→「大いなる遺産」になりそうな予感。

2013年4月8日月曜日

ライプニッツは中世のひと?

中公新書のライプニッツをなんとか読了。
ライプニッツは微積分を発明し、ニュートンとパテントを争ったことで有名。
ほかにもアカデミーを構想したり、外交官として働いたり、とそのマルチぶりは哲学史上随一だ。しかし一見華やかな経歴の持ち主だが、実際には何事も思い通りにいかず、不遇な人生を送ったそうだ。
彼の著書を読んで感じたのは、発想がスコラ的ということ。ほぼ同時代のデカルトもベースはスコラ哲学なんだろうが、ライプニッツはそこがさらにあからさまだ。アリストテレス直結、という感じがする。
それで、そんなひとが微積分を発明した、というところに興味をもった。

ライバルのニュートンはこの辺りどうなんだろう。彼も錬金術師だったくらいなので、現代の物理学者とはやや発想が異なるのだろうか、などと空想する。

公務員 足りているのか?

復興が進まない理由の一つに職員不足が挙げられている。経験と専門知識のある職員がもと現場に必要とのこと。優秀な人材の育成は一朝一夕にはできないが、人材が揃うまで待つ訳にもいかない。
全国公務員、民間から人材を募り、異動させることが必要。そのためには将来を担う人材を全国で多数採用し、ローテーションを円滑に行わせることが肝要だ。新人3人採用でベテランエース1名を復興職員に充てる。

公務員削減が安易に叫ばれているが、減らすのは国会議員くらいでいい。特に国会質問がだめな議員はあらゆる意味で無駄。個人的には質問相手におべんちゃら言う奴が大嫌いです。下手な漫談を聞いているようでムカムカしました。(民主党政権時代ね。)

公務員はとりあえず平均賃金を民間水準にあわせて(イメージとしては賃金を下げて)、どんどん数を現場に送り込べきだ。とくに大卒で就職できないようなひとは臨時でも仮でもなんでもいいから採用して、勉強させながら実務させるといいと思う。

ラカンの精神分析

新宮一成の「ラカンの精神分析」。もう絶版と思い込んでいたが、新装版が普通にアマゾンで売っている。20年程前に読んで、ずっと棚に置きっぱなしだったが、処分するためにもう一度読んでみた。
対象aは黄金数である、ということを反復しているだけの内容だが、鏡像理論の意義が分かるだけで十分存在価値がある。

自分では見ることのできない、他人から見た自分を自分自身として受け入れること。そこに語る主体としての自己の裂け目を見いだすこと。
そして合理性の中に道徳律が埋め込まれているように見えるとすれば、(ルジャンドルに敷衍して、)それはローマ=キリスト教の枠組みでの正当性が背後にあること。
白熱教室式の決議論を相対化する手がかりにしたいと思っています。

この新書はおすすめではありますが、一方で何か深遠なものに触れているという気分だけが濃厚、というのが二度目に読んだ率直な感想です。
左が自分の持っている版の表紙。

西洋をエンジンテストする

最近停滞ぎみなドグマ人類学会ですが、ルジャンドルの翻訳はちょこちょこ刊行されていて、気づいたときに買っています。
この本は講演録で一見取っ付き易いのですが、実際には他の著書より難解で、まともに読めたのは第3講演だけでした。全体に主題が広大もうろうで、結論もないので読み続けるとっかかりがない。長い間折りに触れて読んで来たが何も理解してなかったなあと思い知りました。
もう難しい本を読むパワーがないので、これからは自分の関心にしたがって気になるところだけ読むようにしたいと思います。

2013年4月6日土曜日

映画の中のイプセン

DVDでみました、『ムッシュカステラの恋』の劇中劇としてイプセンの「ヘッダ・ガーブラー」が上演。
アルノーデプレシャンの「エスターカーン」でも劇中劇として使われていたが、そんなに有名なんだろうか?
拳銃自殺するラストシーンが映画的にインパクトがあってちょうどいいだけなのかもしれないが、だったらチェーホフの「かもめ」でもいいような。
私はイプセンもゾラもごっちゃなのだが、一度芝居を見てみたい。

日本語 ・・・になります、について

ワインオープナーが壊れると、酒が飲めなくなります。
この場合の「なる」は、原因と結果を表す。
よく間違った日本語の例として取り上げられる、食堂での「ご注文の品・・・になります。」も、この注文→品物の因果関係を表現していると今思った。

ワインオープナーの無意識

いままでねじのない二枚刃式のワインオープナーを使っていたのですが、長いコルクがうまく抜けない。古いワインだとコルクがぼろぼろで折れてしまったりする・・・という理由ができたのでソムリエナイフと言うものを買ってみた。
さっそくソムリエナイフとやらの使い方を調べるうちに、なんと私の二枚刃式の使い方が間違ってたらしいことに気づく。
歯をコルクと瓶の間に挿入したあと、左右に180度回転させてから引き抜く、が作法だそうだ。
なぜこの情報に気づかなかったのか、なぜ使い方を確認するという発想が生まれなかったのか?
それは新しいおもちゃをとにかく買ってみたかったから、かもしれない。

ワインオープナーには安いものは500円からあるが、すぐに壊れるのでお勧めしない。これが壊れるとその夜は酒が飲めなくなるので、多少良いものを選ぶのは重要である。
今回選んだのは、シャトーラギオールというメーカーの一番安そうなモデル。柄はオリーブの木で、牛の角など使用していないプレーンな雰囲気が気に入りました。
それにしてもソムリエナイフ、ナイフとしての用途は栓のフィルムをはがすだけ。ついでに缶切りもついてたら便利なのに。