3巻から読んで、2、1とさかのぼり、4巻に。
はじめて読んだとき、3巻の「わたしだって共犯なんだよ。自分だけ幸せになんかなれない」(記憶で書いております。)というまつりの台詞にこの作者天才だなあと感嘆。1巻まで読んだら案外普通だったのですが、その分安心して楽しめます。
4巻はヒロイン紗絵子がその悪魔性を開花させています。
男を繰る魔法を使う紗絵子が、主婦としてプロに徹する=旦那のお守りをする、そのたびに彼女のジュエルを曇らせていきます。しかし彼女の悪意は、彼女の天使性の所以でもあるのです。読み終わって、イノセントな天使が悪を知ることを通して自分の本来性に至る、ということについて少し考えました。
颯太の成長は、チョコレート作りを通して紗絵子への片恋からより多くの人にチョコレートに込めた想いを届けることへと、外に開かれたベクトルを持っています。
一方紗絵子は恵まれた経済環境から自分自身の本当の欲望を内省するという内向きのベクトルにあります。作者が紗絵子にどのような運命を与え得ると考えているのか、凡人である私には想像もできませんが、楽しみにしたいと思います。
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