ひとの悪意を扱う天才ハネケですが、これは愛情ある優しい映画でした。
部屋に迷い込んだ鳩を捕まえるシーンがとてもよい。そして「鳩を逃がしてあげたんだよ」と、奥さんに手紙で報告するところは、ほのぼのとして、とてもこれから死のうとするひとには見えません。
『ニーチェの馬』や『楢山節考』がまっすぐに絶望を主題とする映画とするなら、この『愛、アムール』はギャスパー・ノエの『アレックス』のような救済を描いた映画だと思います。
『フランダースの犬』には、天国でおじいさんに会えてもちっともハッピーじゃない、と憤った私ですが、この映画では素直によかったなと感じました。
0 件のコメント:
コメントを投稿