2013年10月21日月曜日

東洋経済 イアン・ブルマ 『キリスト教「軟化」と集団的道徳の崩壊』がでたらめすぎ

このひとはオランダ生まれで米バード大教授。著書に『反西洋思想』『近代日本の誕生』があるそうだが、決して読まないようにしたい。
このエッセイの論旨はおそらく以下の2つ。
1.ローマ法王が英米の新自由主義に迎合した結果、カソリックの宗教的な意義を自ら失わせた。
2.CIAの諜報活動を曝露したスノーデン氏の正義はネットに自分のプライバシーを垂れ流すナルシスト的消費者の自己満足にすぎない。

1.については、法王の「自らの良心に耳を傾け従うとは何が善で何が悪かを見極めることだ」という書簡から筆者自身が導き出した帰結。彼によるとこのことがカソリックの存在意義を否定し無神論に根拠を与えるそうだ。また彼の理解によるとクリスチャンは善悪の判断を良心に置いてではなく、聖書の権威に基づいて行っているらしい。
当たり前だが人間は言語を用いる動物であるからといって、言葉を習わずに話せるようになる訳ではない。このひとにはまず聖書を読めといいたい。
2.はスノーデン氏の行為を歪曲する誹謗中傷とも言えるもの。著者はスノーデン氏が職務上知ったプライバシーをシェアして「いいね!」をもらおうとしたと揶揄している。しかし実際に彼が行ったのはこれとは反対のことだ。他人のプライバシーを暴いておもしろがるのではなく、ビックブラザーが人々の会話を盗み聞きしていると警告したのだから。


筆者は個人主義者が己の良心を振りかざして、公共の利益を無視した勝手な行為を正当化することを危惧しているようだ。そして人々を道徳的に陶冶する役割を漠然と宗教に求めているのだと思う。ようするにへりくつをこねる不良少年にたいし親父は物わかりが良すぎる、もっとガツンといけ、言いたいわけだ。もちろんこのような強い父親幻想は道徳的に無用であり、むしろ有害であるのは言うまでもない。繰り返しになるが、こういうひとにこそまず聖書くらい読んどけと言いたい。

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