やっと読了。奥付を見ると2007年11月20日発刊とあるので5年もほっておいたことになる。
戦前漢字を廃止してカタカナ表記にしろとか、いやローマ字だといったことがまじめな議論として取り上げられたいたそうだ。漢字についても現在当用漢字とか常用漢字とかあるように普段使用できる漢字の目安を決めることが国民的課題だった。伊藤忠商事は創業のころはカタカナ文書を公用にしていたそうだ。これはもちろん文書作成の生産性を高めるためで、和文タイプなんか打たせていたら日が暮れるという事情。当用漢字の普及も新聞社が活版印刷の生産性を上げるためにまず採用した。
国語審議会の議論は要するに国家の正統性を言葉の領域でどのように担保するかということで、大変興味深かった。
著者は人名漢字は法務省、文字コードは通産省が制定していて、文部省主幹の国語審議会は何の成果もだせなかったと考えているようだが、そもそも日本人のアイデンティティとしての日本語=国語の確立という主題をめぐる審議だったことを確認するべきだろう。
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