70年代アメリカ映画の優れた成果のひとつ。「真夜中のカウボーイ」や「イージーライダー」が好きなら絶対気に入る。まあ、イージーライダーをすでに見ているひとならこの映画もすでに見ているかもしれない。未見のひとは必ず見るべし。
外国映画にはときどき変な日本文化が描かれることがあるが、この作品にもアメリカ人の法華経信者が登場してくる。なぜ法華経なんだろう。
この映画の原題はthe last detail .検索するとディテイルには細部という意味のほか、些事、軍や警察の派遣という意味で遣われるらしい。
軍隊内の犯罪者を軍法裁判所に引き渡す、というストーリを端的に表しているが、何故邦題が「さらば冬のカモメ」となったのか。
かれらは海軍なのでセーラー服を着ており、最後雪の積もる公演で大立ち回りを演じる。だから冬のかもめ?かもめの水兵さん。
ちなみにかもめは日本では冬に飛来する海鳥でもともと冬に見られる鳥らしい。だからカモメに別れを告げるのは春の訪れ→雪解け→(権力との)和解→人生の諦念を暗示している?そうすると冬のカモメとは人生にあらがう若者の表象ということになりそうだが。
検索すると小林旭の歌にさらば冬のカモメというものがあったが、内容は別れた女に最後通牒しているような。女→家庭→社会に組み込まれ、というイメージでしょうか。この場合、冬のカモメ=女=体制となり真逆の意味ですね。
70年代の日本人にとって冬のかもめとはなんだったのだろう。
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