最近便利な堕胎薬があって、もっと普及すれば母体保護に有効なのにという話を飲みながらした。ネット販売解禁になれば、爆発的に売れる。株でも買っておこうか・・・
現在の法規制では、医師の目の前で服用が義務づけられていて価格も1万5千円もするそうだ。
酒場ではここで倫理的な問題が云々と始まったが、要するに女性自身の自己決定権の範疇で、事後的にも望まない妊娠はおできのようなものだ。勝手な倫理観で女性を抑圧して体を痛めつけるような手術を強要するのは間違っている。さっさと解禁して儲けよう。
ところが、数年まえ、私は全く真逆の主張をしていた。
生まれないほうが幸せな子供なんて存在しない。全ての子供はこの世の光りの中で祝福されるに値するのだ。親の都合で子供の幸福を計ってはいけない。社会は未来の子供たちのために、ようこそ光りの国へ、生まれて来ておめでとうと言ってあげらるようにしなくてはならないのだ、と。
そのころ『ひかりのまち』という映画を見ていたからかもしれない。
どちらも私の考えてあり、矛盾しているとは思わない。出産は女の問題だが、ニキビのようにつぶされた子供の幸福は成就されないままどこかへ宙づりになる。生まれなかった人生は消えることもない、無に帰ることもできない。そう思い至って今、戦慄したよ。
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