2013年7月2日火曜日

わたしはかもめ 悪の華(8)

悪の華の第8巻。名作です。
死んだ人生を生きる、と7巻で感傷に浸っていたら、ぐさっと刺されました。
「どうして仲村さんのこと知らないの。」
「ずっと逃げて来たんだね。」
「自分の慰めに彼女を使って、面倒になったらまた捨てるんでしょ。」
「そうやってあのこ不幸にするんだ。卑怯だね。」
「そうだよね、ひとってそんなもんだよね。でも、がっかりした。」
(すべて記憶で書いております。)

チェーホフのかもめで、ニーナがコースチャの部屋で再会したシーンを思い出します。佐伯さんを見て、初めてニーナの負った傷の深さ、つらさ切なさと、でもそれを越えようとする力強さを実感できたように思いました。
絵も描き分けが巧みで、内面を正確に伝えています。他の作品ではそれほど絵がうまいとは思っていませんでしたが、この作品では台詞と同じくらい絵から語るものがあります。

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