2010年6月5日土曜日

ピアノレッスンの涙

カンピオンの新作が封切られるにあたって、ピアノレッスンがリバイバルされているようだ。
名作とされる映画で私も好きなほうだが、つまらないというひとも多い。ケチを付けやすい名作といえるだろう。まずストーリーそのものがシンボリックで見た目より神話的なのがくせ者だ。

「これはわたしのピアノ、返してください。」
「ではおれにおまえのピアノを教えてくれ。1レッスンごとに鍵盤を1つづつ返してやる。」
「仕方ないわ。だれにも言わないでね。」
「おお!さすがに良く鳴るぜ!!おまえのピアノ!」
「ああ・・・許して。でも悪いのは私じゃない・・・」
こうしてやっとの思いで取り戻した思いでのピアノを、なんと引っ越しの事故で失い、しかしなぜか逆に晴れ晴れとする。

こんな話なので三流メロドラマを上品に演出しただけ、と受け取る威勢のいい女性がいても仕方が無い。
しかし一方でこれに大泣きする可愛らしい女性もいて、涙のつぼは人それぞれである。
上映終了後、帰りのエレベーター内でまだ余韻で泣いている人の前で、「なにあの映画?何がいいのか分からないわ!」とおっしゃられた若い女性には一同ドン引きいたしましたけど。
あれから10余年、いかがお過ごしでしょうか?

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