2010年6月19日土曜日

科学技術立国の科学音痴国民


遊星イトカワからのサンプルリターン計画の一応の成功で世間が賑わっている。
こんなことがあるたびに、特になんの恩恵も受けなさそうな人たちが、予算を増やせ、技術立国だ、とお祭り騒ぎだ。
まあ、こういう地味な研究をこつこつ行うのは良いことだし、比較的低予算(このプロジェクトで7億円)だから趣味で続けるにはちょうどいいかもしれない。
多発するトラブルを奇跡的に克服できた経緯は映画アポロ13を彷彿させ、エンターテインメントとしては感動的だ。
肝心のサンプリングには失敗している(この時点で砂粒はとれなかったと分かっている)のが残念だが、昔の冒険家同様「行って戻ってくることに意義ある」ということだ。

しかし、この業績をかつて工業で世界に名を馳せた日本という偶像に重ね合わせるのは見苦しい。

だいたいノーベル賞受賞の時期には日本人の受賞者が少ない、もっと予算を、などというが、惑星探査機をいくつ飛ばしてもノーベル賞には届かない。科学的にはもと基礎的な分野にこそ価値があるのだ。(と思っていたが、2009年物理学賞をCCD発明者がもらってますね。)

科学だ技術だ予算だ国力だと騒いでいるが、日本人くらいサイエンスに興味のない国民はないのではないか?遊星サンプリングに7億円かけるのが妥当なのか、3000万くらいでいいのかは分からない。
しかし、一見くだらない?ものも含めて数多くのチャレンジを認められるよう、1件あたりの予算は少なめにしたほうがいいと思う。



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