ジェイムスの『宗教的経験の諸相』を年末に読了。最近読書ペースが遅く、根気も続かない。
ジェイムスのこの本はもともと大学の特別講義の原稿だそうで、古代ギリシャから神秘主義、プロテスタントの信仰者にいたる幅広い宗教経験をプラグマティズムの観点から分かりやすく分析してみせた名著らしい。
ところが分かりやすいのは事例分析のみで、結論の章はかなり難しい。いきなりポンと出されて置いてけぼり。ここでようやくこのひとは私とは全然違うことを考えているらしいと気づく。
そもそも宗教体験をプラグマティックに分析してみせるということ自体、ドフトエフスキーの大審問官を越える大技。しかもジェイムス自身は決して無神論者ではなく、かなりまじめなクリスチャン。本当はかなりエキサイティングな試みのはずなのに、そこを読み込めない己の技量にがっかり。ジェイムスの他の本を読むかこのまま生涯素通りするか、悩みます。
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