2011年8月5日金曜日

彼女の消えた浜辺

イラン映画。
主人公である奥さんが娘の保育園の先生を親戚?の青年とくっつけようと家族旅行に連れ出します。
ホテルにはこのふたりは新婚夫婦と偽ってます。
未婚の男女の同宿は、表向き禁止なのです。
イランはアルコール禁止の国ですが、自宅では飲酒しています。恋愛も同様のダブルスタンダードなのです。

ところで写真のとおり映画の中では女性はストールを頭に巻いていますが、実際には家の中では外しているのだそうです。これは映画の中ではあっても、人前では女性は姿を露にしてはいけないからです。
日本の映画では女性を露にしないためにフィルムにぼかしをいれることはあっても前ばりして隠すことはありません。(前ばりする際は前ばり自体を隠しますから。)


このあと保育園の先生が行方不明になってしまい、さらに実は婚約者である男性がいたことが明らかになります。
話の焦点はこの婚約者に、この恥知らずな女の行いをなんと説明するか?に移ってしまい、彼女を心配しているはずの婚約者も、自分を裏切ってアバンチュールを楽しんでいたのか?ということばかり気にしています。
彼女は実は婚約者を心から愛せず悩んでいたのですが、そんな心の真実より世間体、男のメンツが大事なわけです。

行方不明になって警察に届ける時、彼女の正式の名前を誰も知らない、というエピソードがあるのですが、彼女の所在なさを表しているように思いました。

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