今年の夏は美深に行きましたので、それまでに村上春樹の羊シリーズを読んでおきたかったのですが、もう集中力がないのでやっと今、これだけ読了したところ。次を読むかどうか分からない。
固有名が出てこなく、誰でもない誰かの、どこでもないどこかでの、何でもない何かについての物語、というのが私の感想。
常套句を別の言葉に置き換えてちょっと不思議な雰囲気を醸したり、というような言葉遊びの部分はまあまあ面白い。また謎の組織から与えられたミッションをこなすも、全て仕組まれたもの過ぎなかったという筋立ては神と人間、人間の自由意志と因果律との関係を描いたとも言えなくもない。しかし登場人物のモナドが閉じて窓がないというていでどうしようもない。まあこれは鼠という死者から見た世界だからそうなるのかな。
こういう、見方によっては内容空疎で意味不明と言われかねない小説を多くの日本人が有り難がるということに少々意外というか正直驚いた。
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