2014年11月14日金曜日

日テレの新卒内定取り消し事件について

20年以上前になるが、コダックが事業部廃止に伴い配属予定だった東大生数名の内定を取り消し裁判になった。裁判でコダックは負けたが、当の学生がどうしたかは知らない。
新卒採用の内定取り消しは解雇と同じ重みがあり、企業は相当の合理性をもって行う必要があると思う。つまり著しく業績が悪化し他の部署への配属なども困難、希望退職も募っているというような場合くらいしか認められないと思う。
学生がキャバクラアルバイトの経歴を履歴書に記載していなかった点については、一般的には経歴詐称に相当するとは言えないだろう。むしろ志望先に応じて、望動機や職業適性を明示するよう履歴書を書く(記載内容を取捨選択する)ことは通常学生に期待されることである。
日テレが主張するアナウンサーに必要な清廉性についても、具体的な内容があいまいで、これが女性にのみ要求されることであるなら差別的ですらある。
また募集や面接など採用過程において日テレの定義する清廉性を評価するためにどのような具体的な方策をとって来たのかが問われる。先日ゴルフ場に入場するヤクザが身分詐称にあたるかが裁判になったが、結局ゴルフ場自体がきちんと確認してなければ詐称とは言えないと判断された。これと同じ理屈が当てはまると思う。

もちろん内定取り消しはできないまでも、配属の変更は企業の裁量で行うことである。アナウンサーに向いていないから事務系でがんばってもらう、という判断はあり得る。職種別採用が入社後の職業生活をどこまでも約束するものではないからだ。しかしながらその場合も公平な処遇を求めることは当然であって、日テレのアナウンサーがキャバクラに関わるなど公序良俗に反する?類いのことを行っているがとくにおとがめないことを例示できれば異動の不当性を主張するに十分だ。女性アナウンサーから男性アナウンサーに目を向ければ、お偉いさんのキャバクラ通いなどを例示するのは比較的容易に思う。
できることなら裁判では、弁護士ではなく彼女自身に自分の言葉で主張してもらいたい。
みごと入社したら勉強して立派なアナウンサーになってください。


0 件のコメント:

コメントを投稿