2012年11月19日月曜日

野田「自爆テロ」解散に見る「理性の狡智」

NHKラジオ、あさ7時のニュースによると、野田氏が安倍氏に対し以下の対立軸を明確にしたようだ。
安倍:1.インフレターゲット2%にコミットできる人物を日銀総裁に任命する。
   2.建設国債は日銀に引き受けさせる。景気も良くなる。
野田:1>インフレ率を政府が決めるなら日銀の独立とは何なのか!
   2>財政規律が乱れる!
というわけで、良識的な経済政策を提案する自民党安倍氏に対しあくまで財務省−日銀ラインを押す民主党野田氏という図式がここに確立された。
今回の選挙で民主党の壊滅は必定だが、この自爆解散に財務省、日銀を巻き込んだ形だ。決して一人では死なないカミカゼ魂である。

もはや「良いデフレ」「円高で暮らしが豊かになる」と主張する人はいない。10年以上要したが、ようやく常識的な経済成長、穏やかなインフレ基調に移行を目指すということが国民のコモセンスとなっている。このような状況で、野田氏の主張が国民に受け入れられるはずもない。しかし彼はここであえて明瞭に財務省の論理を主張することで、この選挙闘争を最期に官僚主導の政治を断ち切り、日本の復興を安倍氏に託そうとしているのだ。

人はしばしば間違いを犯す、いや間違っているということにすら人はなかなか気づけない。しかしそれでも、間違った判断の積み重ねの果てにも、人は必ず真理に到達する。これをヘーゲルは理性の狡智と呼んだ。

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