2012年11月18日日曜日

雑感 東京インターナショナルオーディオショウ2012

数年ぶりに訪問。スキャンテックのブースが無くなっていました。ここが一番音がよかったのですが、残念。となりのユキムは健在で、アナログレコードを聞かせてくれていました。スピーカーはいつものエラックですが、記憶にあるカンカン音が飛んでくるキレのある音ではなくバランスよく常識的な印象。この方が幸せかもしれませんが面白くはありませんでした。
他のブースで音がよいと感じたのは、YGアコースティック、値段は知りません。

その他全体として旧態依然の展示に業界の停滞を感じます。その中でも新しい提案として、薄型コンパクトなDAC内蔵デジタルプリメインアンプ、無線方式のアンプ内蔵小型スピーカー、家庭内ネットワークオーディオが印象に残りました。
PCオーディオをにらみながら、この辺りから新規ユーザーを取り込んで行くのが現実的だと思います。PCとその周辺機器でそこそこの音が楽しめる現在、求められるのは音楽の感動と生活空間との調和だと思います。

もちろんステイタスとしてのハイエンドオーディオが消滅することはないでしょう。しかし潜在顧客との接点は今のオーディオショウには無いように思います。また実際にはそれほど良い音では鳴らせていないので、かえってマイナス宣伝になっている懸念もあります。一方、ますます高齢化する客層に若いカップルが紛れ込むようにいて、新しい時代を予感もしました。結局女性も認めるハイエンドが今後生き残って行くように思います。

展示の方法も再検討すべきだと思います。リビングや書斎のような実際の使用空間で説得力のある音を体験して初めて高価なオーディオの意義を理解できるのだと思います。そのためには実際のライフスタイルに応じた提案をきめ細かくしたほうがよいはず。オーディオはもはや庶民のあこがれではありませんから。

今回特に感じたのは、オーディオ評論家の時代は終わったということ。音を客観的に評価できる専門家の存在は貴重ですが、今はもうオーディオに理想の音を追求する時代ではなく、自分の楽しみとして趣味や価値観のあった人同士の間で好みの音を探っていく時代になっていると思います。その点で毎年ピーターバラカンを招いているユキムのブースは正解です。

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