2012年2月12日日曜日

サンデル先生の究極の選択について

サンデル先生の講義スタイルとして、選びづらい2択を設定してアンケートをとり(学生に質問を投げかけ)最後に、「人は〜と感じる傾向にある」とまとめることが多い。
これには率直いって、これが倫理の講義ですか?と疑問に思わざるをえない。
例えば線路の上の3人を助けるために跨線橋の上の太ったひと1人を突き落とすという問題。
このバリエーションで、太ったひとが、ゴリラだったら、愛犬だったら。結論として、動物を犠牲にするのは抵抗を感じない傾向にある・・・と。
(記憶で書いておりますのでいろんな人の議論が混ざっているかも。ぬれぎぬだったらすみません。)
このようなたとえは功利主義という立場を誤解させると思う。普通功利主義とは100円で1人救える方法と100人救える方法があるなら100人救える方を選択する、というような考え方をいう。ところがサンデル先生はこれを1人殺せば100人助かると読み替えるのだ。あたりまえだがこれは全く別のことで同列に考えることではない。
カント的に考えるなら、他人を道具として用いる時点でNG。理性の法則としてあり得ないのである。
列車クイズにもし倫理的な問いがあるとしたらそれは「私は自ら飛び込んで列車を止めるか?」という塩狩峠バージョンしかないだろう。
ところでサンデル先生は塩狩峠を知っているのだろうか。

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