ワイズマンのナショナルギャラリーの方を見てきました。エトワールやクレイジーホースよりぐっと他のワイズマン作品の雰囲気に近く、しかしその作品群のなかではやや精彩に欠いていた印象。ようするに美術館なので、絵と学芸員についてのワイズマン映画ですが、比較的馴染みのある素材なので、イリュージョンが消えて手品の種が見えたような。今回はワイズマン=神、という感じではないですね。
パンフレットにワイズマンのインタビューがあって、3時間の映画のために170時間の素材を全部みて、3.5時間に編集して、もう一回素材を全部見て、3時間にまとめる。おおむねこんな感じで作ったそうです。ワイズマンはカメラ1台で撮っていると思うのですが、本作品はカット割りが多く複数台のカメラを使っているのかなと見ながら思っていました。しかしおそらく編集作業で一連の動きのようにまとめていて、1台カメラで撮影しているんだろうなと思います。
ワイズマンの作品の特長を一言で言うと、モンタージュという手法で経験を再構築するということになると思いますが、絵画鑑賞の経験の再構築という点ではあまり納得できるものではありませんでした。しかしナショナルギャラリーに行った気にはなりますし、実際に行った以上の内容だと思います。タイトルもナショナルギャラリーですね。
ターナー、クロードが取り上げられていて、たまたま前日上野で見た新印象派展で知ったばかりだったので嬉しかったし、今度上映されるターナーの映画にも興味がわきます。
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