1986年の自画像 |
1887年はゴッホがゴーギャンと出会った年で、自画像からもゴッホの作風が一変し、私たちの知るゴッホが誕生した瞬間であると実感した。
ミレーに代表されるブランドル派の末席を汚したにすぎない二流の画家がある日ゴッホへと生まれ変わった訳を、ゴーギャンの影響に求めてよいのかは分からない。
お互いの絵はかなり違うので絵画論のようなものを交わしていたとしたらどんなやり取りだったのか、滑稽な場面を空想してしまう。
というわけで、今回ほど制作年に注目して鑑賞した美術展はなかった。といってもゴッホはその後数年でピストル自殺してしまうので制作期間は驚く程短い。チェーホフの「かもめ」を連想した。
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